アンチエイジング 口腔ケア

高齢者だけじゃない。口元のゆるみが気になりはじめたら、「試す7つの予防法」

オーラルフレイルって知っています?

オーラルフレイル(Oral Frailty)は、高齢者に特有の健康問題で、口腔(口とその周りの領域)における機能や健康が低下した状態をいいます。
オーラルフレイルは、高齢者の生活の質や全身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、まず、理解いただき、その対応がとても大切なのです。

オーラルフレイルの要因・症状

オーラルフレイルに関連する主要な要因や症状について説明します。

  1. 歯の損失: 歯を失うことは、食事の嚥下や咀嚼(かみ砕く)機能に大きな影響を与えます。
    歯の損失が進むと、栄養不良や体力の低下のリスクが高まります。
  2. 歯肉の炎症: 歯肉の炎症や歯周病が存在する場合、口内の感染症のリスクが増加します。
    これは全身への影響も及ぼし、炎症性疾患のリスクを増加させる可能性があるので要注意。
  3. 口臭: 口臭は社交的な問題だけでなく、口内の健康状態を示す重要な兆候でもあります。
    悪化した口臭は、口腔内の問題を示唆することがあります。
  4. 口内炎: 口内炎は高齢者に頻繁に見られます。
    食事摂取や会話に支障をきたすことがあります。口内炎は口腔ケアや栄養の側面からも問題です。
  5. 嚥下障害: 嚥下(飲み込む)の機能が低下すると、食事や液体の摂取が難しくなり、誤嚥(誤って気道に物が入ること)のリスクが増加します。
  6. 食事の制約: 歯の問題や嚥下障害のために、高齢者は柔らかい食事や液体食に頼ることが増える可能性があり、栄養バランスが崩れることがあります。

オーラルフレイルの予防方法

  1. 定期的な歯科健診と口腔ケア: 歯科医師や歯科衛生士の定期的な健診と口腔ケアが非常に重要です。
    歯や歯肉の問題を早期に発見し、治療することができます。
  2. バランスの取れた食事: 高齢者は栄養バランスの取れた食事を摂ることが大切です。
    柔らかい食材や栄養豊富な食品を摂り入れましょう。
  3. 嚥下訓練: 嚥下に問題がある場合、専門家の指導のもとで嚥下訓練を行うことが役立ちます。
    これは食事の安全性を向上させます。
  4. 口腔衛生: 歯磨き、フロス、うがいなどの日常的な口腔衛生を怠らず行いましょう。
    口内環境を清潔に保つことは、オーラルフレイルの予防に役立ちます。
  5. 入れ歯や義歯の適切な管理: 入れ歯や義歯を使っている場合、定期的な調整や修理が必要です。
    入れ歯の適切なフィットが口元の健康を維持するのに重要です。
  6. 喫煙や過度のアルコール摂取の制限: 喫煙や過度のアルコール摂取は口内健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
    できるだけ控えるか、やめるよう努力しましょう。
  7. ストレス管理: ストレスは口元の健康にも影響を及ぼすことがあります。
    リラクゼーション法やストレス軽減の方法を取り入れることが大切です。

高齢者のオーラルフレイルは予防と早期の対処が非常に重要です。定期的な歯科検診と健康的な生活習慣の維持が口元の緩みを軽減し、全身の健康をサポートするのに役立ちます。
口元の健康について疑問や懸念がある場合、歯科医師や歯科専門家に相談することをお勧めします。


口元のゆるみが気になり始めたら・・・

口元のゆるみが気になり始めた場合、それは口周りの筋肉の衰えが影響している可能性があります。

口周りの筋肉は、食事の咀嚼や話すなどの基本的な口腔機能に重要な役割を果たしています。

筋肉の衰えが進むと、食事摂取や発音に問題が生じ、口元の見た目にも変化が現れることがあります。

口元のゆるみを軽減し、筋肉の衰えを防ぐために、口腔リハビリテーションや口腔筋トレーニングをはじめてください。

口腔リハビリテーションがオススメ

口腔筋トレーニング: 歯科医師や言語病理学者の指導のもとで、口腔周りの筋肉を強化するためのエクササイズを行います。
これには、口を大きく開けたり、唇やほほの筋肉を使った動作が含まれます。

おすすめなのが「あいうべ体操」です。かんたんでどこでもできるのでぜひ試してみてください。

「あいうべ体操」は、日本の口腔筋肉を鍛えるためのエクササイズの一つです。
口周りの筋肉を強化し、咀嚼や発音の能力を向上させるのに役立ちます。
特に高齢者や言語障害のある人々、口腔機能に問題を抱える人々におすすめされています。以下に「あいうべ体操」の一般的な手順は下記の通りです。  

1.基本の「あいうべ」: 正座または椅子に座り、背筋を伸ばしてリラックスした状態で口を大きく開けます。
口を開ける際に舌を上顎に当てます。この状態で「あいうべ」と声に出して発音します。舌が上下に動くように気を付けてください。これを5回から10回繰り返します。

2.「あいうべ」の拡張: 同じように口を大きく開けた状態で、「あいうべ」と声に出して発音しますが、口を大きく開けることを意識して行います。
舌を上顎に当てたまま、口を大きく広げて発音します。これも5回から10回繰り返します。

3.「あいうべ」の上昇: 口を大きく開けた状態から、舌を上顎に当てたまま、「あいうべ」と声に出して発音します。
舌をできるだけ上まで持ち上げるようにします。これを5回から10回繰り返します。

4.リズムをつける: 正座または椅子に座り、リズムを意識して「あいうべ」を発音します。ゆっくりと声に出すことで、口腔筋肉を適切に動かします。
これをリラックスした状態で1分間続けます。

5.口を閉じる: 最後に、口を大きく開けていた状態から、ゆっくりと口を閉じます。
これを5回から10回繰り返します。口を閉じる際にも舌を上顎に当てたままにします。

「あいうべ体操」は、口腔筋肉を鍛え、口腔機能を改善するのに役立つ簡単なエクササイズです。
ただし、初めて行う場合や、具体的な指導が必要な場合は、言語療法士や口腔リハビリテーションの専門家の指導を受けることがおすすめします。
自己流で行う場合でも、痛みや不快感を感じた場合はすぐに中止し、専門家のアドバイスを求めてください。

あいうべ体操は小さなお子様からお年寄りまで誰でもいつでもできたらいいだろうな、こういう健康法があったら楽しいだろうな、ということで開発されました。
お金も時間もかかりませんから簡単にできます。

あいうべ体操のやりかた動画

「あいうべ体操」について 本大学教員の論文が海外の学術雑誌に掲載されました。 | 朝日大学 https://www.asahi-u.ac.jp/topics/2023/19012/

具体的には、1年間「あいうべ体操」をしたグループでは、していないグループよりも口元が引き締まることが判りました。また、唇を閉じる力(口唇閉鎖力と言います)が弱いお子さんでは、「あいうべ体操」をしたグループの方が唇を閉じる力はより大きくなっていて、さらに口元も引き締まっていることが判りました。

その他の口腔リハビリテーション方法

  1. 食事指導: 食事の摂取方法についての指導を受けることがあります。特に、食事を咀嚼しやすくする方法や、食事中に口周りの筋肉を活用する方法を学びます。
  2. 言語療法: 口の周りの筋肉の強化と、発音や話し方の改善を支援するために、言語療法士によるセッションが役立つことがあります。
  3. 口腔ケア: 口内環境を清潔に保つことも非常に重要です。歯みがき、フロス、うがいなどを定期的に行い、口腔の健康を維持しましょう。
  4. 食事の工夫: 柔らかい食事や栄養ドリンクなどを利用して、食事の摂取を容易にすることがあります。

口腔リハビリテーションは、口元のゆるみを改善し、口腔機能を回復させるのに役立ちます。ただし、専門家の指導を受けながら行うことが重要であり、自己流で行うことは避けてください。
口元のゆるみに悩んでいる場合、歯科医師や言語療法士に相談して、適切なリハビリテーションプランを立てることをオススメします。

医療法人 エクラ会 歯科オーラルクリニック エクラ
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愛知県日進市の「歯科オーラルクリニック・エクラ」で受付事務をさせていただいております。発信しております情報が皆さまのお役に立てれば幸いです。

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