虫歯・歯周病

歯周病は感染症!!コロナよりも恐ろしい!

歯周病の深刻さと感染拡大の脅威

今回は歯周病に焦点を当て、その深刻性と感染症としての脅威についてお伝えいたします。

歯周病は口腔内で進行する感染症で、その危険性はコロナウイルスよりも深刻であるという事実を考がえてみます。このコラムでは具体的な事例も交えながら、歯周病の未知の危険性を探っていきます。

まず、歯周病は一般的に「歯周病原菌」と呼ばれる細菌によって引き起こされます。

成人の約8割もの人がこの感染に苦しんでおり、その感染者数は世界中で驚異的な数に上り、ギネスブックにまでその名が載っています。

医学の進歩にも関わらず、歯周病の解明には未だに多くの謎が残り、世界中で研究が続けられています。

歯周病の解明と医療の進歩

歯周病は歯茎や周囲の組織に影響を与える慢性的な炎症性疾患であり、その解明と管理は歯科医師にとって重要です。

以下に、歯周病に関する医師の立場からのアドバイスと医療の進歩についての考えをいくつか述べます。

  1. 早期診断と予防の重要性: 歯周病は初期には症状が現れにくいため、定期的な歯科検診が重要です。
    患者さまに対して、歯周病のリスク因子や初期症状について伝え理解をいただき、早期に専門医の診断を受けるように促すことが重要です。
  2. 遺伝子研究と個別化治療: 歯周病の進行には個人差があります。遺伝子研究の進展により、患者さまの遺伝子プロファイルに基づいた個別化された治療が可能になるかもしれません。
    これにより、より効果的で持続可能な治療法が開発される可能性があります。
  3. 微生物学的アプローチ: 歯周病は細菌の増殖によるものであるため、微生物学的なアプローチが重要です。
    新しい抗生物質や微生物制御のための治療法の研究が進んでおり、これによって歯周病の進行を抑えることが期待されます。
  4. 再生医療の導入: 歯周組織の再生医療は将来的な治療法として期待されます。
    幹細胞療法やバイオマテリアルの利用により、損傷を受けた歯周組織を再生する可能性があります。
  5. 患者教育と自己管理の強化: 患者への適切な教育と自己管理の促進が重要です。
    歯周病の予防や治療において、患者さまが適切な口腔ケアを行い、リスク因子を管理することは不可欠です。医師は患者と協力して、持続可能な治療計画を立てることが求められます。

歯周病の解明と治療の進歩は、医学の多岐にわたる研究と協力によって成り立っています。新しい知見や技術の導入により、歯周病の予防と治療の質が向上し、患者の健康状態の維持が図れることが期待されます。

以下は、さらなるアドバイスと進展に関する考えです。

  1. 口腔内炎症の分子メカニズムの解明: 歯周病の進行における分子メカニズムの解明が進む中、炎症を抑制する新しい薬剤や治療法が開発される可能性があります。これにより、炎症の進行を防ぎ、歯周組織の健康を維持する手段が拡充されるでしょう。
  2. デジタル技術の導入: デジタル技術の進歩により、歯周病の診断や治療計画の立案が効率的になる可能性があります。AI(人工知能)を活用した診断支援システムや、患者が自宅で歯周状態をモニタリングできるテクノロジーの導入が期待されます。
  3. 継続的な専門家の教育と研究: 医師や歯科医師が最新の研究成果や治療法にアクセスできるようにするため、継続的な専門家の教育が不可欠です。また、歯周病に関する研究の推進と共有が進むことで、臨床への新しい知見の素早い導入が期待されます。
  4. 国際的な連携と情報共有: 歯周病は地域や人種によっても異なる特徴があります。国際的な研究協力や情報共有が進むことで、異なる地域や人口グループにおける歯周病の発生メカニズムや適切な治療法についての理解が深まり、それに基づく最適な治療が提供されるでしょう。
  5. 健康全体の促進: 歯周病は全身の健康にも影響を与える可能性があります。医師は全身の健康と口腔健康の密接な関連性を理解し、患者に対して総合的なアプローチを提供することが求められます。

これらのアドバイスや進展が、歯周病の解明と治療において医師の役割をより効果的にし、患者さまの生活の質を向上させることが期待されます。

全身疾患は歯周病が原因?!

歯周病の進行は口腔内での細菌の異常な繁殖に起因しますが、これだけではなく、歯周病原菌は口腔内を越えて血液中に広がり、全身に影響を及ぼします。

最も深刻なのは、この歯周病原菌が心臓の血管壁に付着し、心筋梗塞の原因となる可能性があることです。

同様に、脳の血管壁に付着すれば、脳梗塞のリスクも高まります。更には、糖尿病患者の血糖値にも影響を及ぼし、糖尿病と歯周病が組み合わさり、全身に深刻な症状を引き起こす危険性があるのです。

死因TOP3に挙げられる「ガン」「心臓疾患」「脳血管疾患」の中で、歯周病原菌が関与していることが明らかになっています。

これは歯周病が人命に与える影響の大きさを示しています。

そして糖尿病は合併症が非常に恐ろしい病気であり、直接の死因にはカウントされないかもしれませんが、実際には世界で最も多い死因の一つとされています。

つまり、死因の上位に位置する病気全てに歯周病原菌が関与しているのです。

歯周病が引き起こす悲劇は、単なる口腔の問題だけではありません。実際にある患者の事例を挙げてみましょう。

40代の男性、健康そうに見えた彼はある日急激な胸痛に襲われ、病院に運ばれました。診察の結果、歯周病が原因で心筋梗塞を起こしていたことが判明しました。

口腔の問題から始まったこの悲劇は、全身に波及し、彼の生活を脅かす結果となりました。

もちろん、歯周病に対する予防・治療は歯科医師によってのみ行われます。

その専門的な知識と技術がなければ、歯周病の進行を遅らせ、重篤な合併症を予防することは難しいのです。歯科オーラルクリニック エクラは、この病気に真摯に向き合い、患者様に最適な治療を提供しています。

歯周病は感染症!!

感染症としての歯周病の脅威は、わずかな口腔内の問題から始まり、全身に波及し、最終的には命にかかわる深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

コロナウイルスに対する警戒心は十分に理解されていますが、同様に歯周病にも真剣な警戒が必要です。日常の口腔ケアと定期的な歯科検診が、感染症の予防に繋がります。

皆様にとって、健康な歯と口腔は全身の健康を支える基盤であることを心に留めていただきたいと思います。

歯周病はどのように人に感染るのか!?

感染経路など、別の記事にも書いていますが、今回は犬の歯周病について解説します。

犬の8割近くは歯周病予備軍。飼い主とうつし合っている!?

歯周病は人間だけでなく、動物もかかる病気です。特に犬の場合、歯周病が多く見られます。

アニコム損害保険の調査によれば、780匹の犬を対象に行った歯科検診で、76.3%の犬が歯垢や歯石のような歯周病の初期症状を示していることが分かりました。

動物も年齢とともに高齢化し、歯周病のリスクが上昇しています。

ペットの歯周病が人間のそれと同じかどうかは疑問ですが、実際には人間と犬で同じ歯周病菌が見つかることが報告されています。

つまり、歯周病菌はお互いに感染しあう可能性があります。例えば、飼い主がペットに食べ物を与えたり、犬が飼い主の口を舐めたりすることが、歯周病菌の感染経路になり得ます。

もしも歯周病が相互に感染している場合、人間が歯周病治療をしていても、この感染経路によって治りが悪くなる可能性があります。

ペットは歯垢が歯石に変わる速さが速く、ブラッシングが難しい上に、自分で痛みや不快感を訴えにくいため、人間よりも歯周病が進行しやすいです。

実際に、犬は1歳の時点で約6割が歯垢と歯石の沈着が見られ、加齢に伴い歯周病の発症率と口臭の発生率が高まります。

ペットの歯周病予防も、とても大切であり、定期的な歯科検診や適切なケアが必要です。

ご質問や疑問がありましたら、お気軽にご連絡ください。皆様のご健康をお祈りしております。

医療法人 エクラ会 歯科オーラルクリニック エクラ
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愛知県日進市の「歯科オーラルクリニック・エクラ」で受付事務をさせていただいております。発信しております情報が皆さまのお役に立てれば幸いです。

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