その他 予防歯科(メンテナンス) 口腔ケア 虫歯・歯周病

歯磨きとフッ素濃度:予防歯科における重要な関係性

みなさんはどんな歯磨き粉を使っているでしょうか?
市販されている歯磨き粉や歯医者さんで販売されている歯磨き粉には、フッ素配合の歯磨き粉があり、「虫歯に良い」とか「お子様の歯を守る」といった謳い文句で販売されていると思います。

しかし、フッ素が入っているからどれを使用しても良いという訳ではないんです。
今回はフッ素の観点からお口の健康を考えます。

フッ素って何がいいの?

フッ素は、歯の脱灰を抑制し、再石灰化を促進します。また、歯質を強化する作用もあり、むし歯予防には欠かせない成分です。

歯科クリニックでは、むし歯予防の専門的処置としてフッ素塗布が行われます。家庭ではフッ素配合の歯磨き粉や洗口液を上手に活用することで、お口の中の健康が保たれます。

家庭で行える効果的なフッ素配合商品の使い方

 

フッ素配合ハミガキ粉

一般的なハミガキ粉の場合、フッ素濃度は主に500~1500ppmです。普段の歯磨きにおいて、以下の工夫をすることで、フッ素を口の中に長く留める習慣が身につきます。

ハミガキ粉を吐き出したあと何度も口の中をすすいでしまうと、口の中に残るフッ素の量が少なくなってしまいます。なので歯磨き後は5~15mlの少ない水で5秒間程度ブクブクと1回だけすすぐことをおすすめします。また歯磨き後は1~2時間は飲食を控えるとさらに効果的です。

すすぎを少なくすることで、お子様が誤って飲み込んでしまわないかと不安になる方もいらっしゃるでしょう。市販のハミガキ粉は、もしもご家庭でお子様が誤って多めに飲み込んでしまったとしても危険のないようフッ素の含有濃度が薄くなっているので安心してご使用いただけます。

また、寝ている間は唾液の分泌が少なくなり口の中の自浄作用が低下するため、細菌が繁殖しやすい状態になっているのでそういった細菌を除去するためにも寝る前の歯磨きは重要です。
寝る前はぜひフッ素配合のハミガキ粉で丁寧に歯磨きを行い、むし歯予防を心がけましょう。

 

フッ素配合洗口液

フッ素配合洗口液の場合、フッ素の濃度は歯磨き粉に比べて少々少なめです。

一般的には大体5~10mLを用いますが、年齢や個人ごとにお口の大きさは異なるため、お口の大きさにあわせた量で、すみずみに行き渡らせます。
特に就寝前は効果的です。就寝中は飲食せず、かつ唾液の分泌量が少ないので、長時間フッ素がお口の中にとどまります。

フッ素の推奨濃度って知ってる?

フッ素配合ハミガキ粉も洗口液も、使う際はその量に注意をしながら使用します。それはなぜでしょうか。
それはハミガキ粉に含まれているフッ素の適性濃度が年齢やご自身の歯の状態によって違うからです。

特に小さなお子様の場合、2歳までは500ppm以下が望ましいとされています。
これが『フッ素の推奨濃度』です。

フッ素の過剰な摂取は、エナメル質の形成不全である斑状歯や、じん帯や腱、骨などが硬くなる骨硬化症などを引き起こすおそれがあると指摘されています。
フッ素による急性中毒の症状には、悪寒、腹痛、嘔吐、 下痢といったものもあり、悪化すると痙攣を起こす場合もあります。

(フッ素の濃度は「ppm」という単位が使われます。1ppmは100万分の1%をあらわし、1,000ppmでは0.1%の濃度ということになります。)
そのため、大人と子どもではフッ素の推奨濃度が異なります。

6歳〜14歳は1,000ppm、15歳以上で1,000~1,500ppmが推奨されています。
また、これまで1,000ppmだったフッ素濃度の上限が、2017年から1,500ppmまで引き上げられ、市販品も1,450ppmの製品が発売されるようになりました。

このように、フッ素はただ単にたくさん摂取すればいいというものではありません。
かといって、極端に避ける必要もありません。

取り扱いや使用量に注意を払う必要こそあるものの、正しい形で適切に用いれば、歯を強く保ってくれる効能を持ち合わせているからです。
フッ素を用法・用量を守ったうえで安全に活用し、虫歯の予防へと役立てていきましょう。

バイオフィルム除去とフッ素塗布で予防効果アップ!

排水溝などに膜をはったようにねばついた汚れがつくことがあります。
あの状態がお口の中で起こった状態をバイオフィルムと言います。細菌が自分を守るために膜を張るのです。
この膜があると、せっかくフッ素配合のハミガキ粉を使ってフッ素を取り入れようとしても、その成分が歯へ行き届くことができません。
では、どうしたらいいでしょうか?

そこで頼ってほしいのが歯科クリニックです。
このバイオフィルムは、歯ブラシでは落とせません。
歯科医院で定期的に専門クリーニングを受け、あわせてフッ素の塗布をすることではじめて、フッ素ケアの効果アップが期待できます。

また、歯科医院のフッ素は市販品より高濃度なため、効果の持続性が高まりますし、常にお口を清潔にたもつことで、自分では気づきにくい口臭の予防にもつながるのです。

 

フッ素配合製品を上手に使って、お口の中の健康を保ちましょう


フッ素は、魚介類や野菜、肉、牛乳、塩、お茶の葉っぱなど、ほとんどの食品に含まれており、ビタミン類の様に、毎日摂らなければならない必須の栄養素に位置付けられています。
歯医者さんで行われるフッ素塗布は、お子さんからシニアの方まで気軽にできて、高い予防効果が期待できるケアです。

WHO(世界保健機構)によると、1000ppm以上のハミガキにおいて、500ppm濃度が高くなる毎に6%むし歯予防効果が高くなると言われています。
毎日のケアでフッ素をしっかり取り入れ、継続的にむし歯予防に努めることが肝心です。
手軽に取り入れられるフッ素配合ハミガキをぜひ活用しましょう。

日進市の「歯科オーラルクリニック エクラ」は、フッ素塗布の処置で虫歯予防を促す処置をしています。フッ素配合製品の使い方に関して少しでも疑問がある場合は、かかりつけの医師、歯科医師にご相談ください。それだけではなく、キシリトールの製品についてや、口呼吸の防止策など、お口まわりの健康を保つための専門的な知識でお応えすることができます。是非当院までお気軽にご相談ください。

医療法人 エクラ会 歯科オーラルクリニック エクラ
  • この記事を書いた人
  • 最新記事
Mia(ミア)

Mia

歯科助手をしながら、歯科衛生士を目指しているMia(ミア)です。 人の役に立てるような仕事に就きたい、手に職を付けたいという思いから歯科衛生士を目指しています。患者さんからたくさん「ありがとう」と言ってもらえるように頑張っています。

-その他, 予防歯科(メンテナンス), 口腔ケア, 虫歯・歯周病