オーラルフレイルの新たな評価法(新指標)「OF-5」(Oral frailty 5-item Checklist)
日本老年歯科医学会、日本老年医学会、日本サルコペニア・フレイル学会は、2024年4月1日に合同で「オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント」を発表しました。
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルは、口腔内の機能が低下する状態を指し、特に高齢者に多く見られる問題です。
この状態は、歯の喪失や咀嚼(そしゃく)機能の低下、発音や会話能力の衰えが含まれるオーラルフレイルは、高齢者の健康に重大な影響を及ぼす可能性があります。
口腔機能の衰弱により、食事やコミュニケーションの質が低下することを示しています。
早期にこの症状を認識し対策を講じることは、生活の質を維持し、さらなる健康問題を防ぐためにとても重要です。
メモ
検査機器がなくてもセルフチェックが可能
5つの項目のうち,「該当」が2つ以上あるとオーラルフレイルです。
オーラルフレイルは、残存歯数の減少、咀嚼や嚥下の困難、口腔の乾燥、滑舌の低下などの5項目から成ります。
これらのうち2つ以上に該当する場合、オーラルフレイルと診断されます。
オーラルフレイルは、筋力の低下よりも前に、社会的な交流の減少や口の機能衰えといった問題から始まることがあります。この状態は、早期に気づいて適切な対応を行うことで改善可能です。
お口の健口(けんこう)が全身の健康につながります。
口腔体操を行い、オーラルフレイル対策をしましょう!
①お口・舌の動きをスムーズにする体操
唇やほほ、お口周りや舌の筋力をアップすることで、お口の機能が高まり、唾液がよく出るようになり、舌がなめらかに動いて食べ物を飲み込みやすくなります。お顔の表情もイキイキしてきます。
1.(唇を中心とした)口の体操
①口をすぼめる。 ②「イ~」と横に開く。
2.(唇と)ほほの体操
ほほを膨らませた後、すぼめるという動きを数回する。
(水はなくてもOK)
3.舌の体操(舌圧訓練)
①舌を左のほほの内側に強く押しつける。
②自分の指で、口の中の舌の先を、ほほの上から押さえる。
③それに抵抗するように、舌をほほの内側に、ゆっくり10回押しつける。
④右のほほでも同じこと繰り返す。
4.パタカラ体操
- ①「パ」…唇をはじくように
- ②「タ」…舌先を上の前歯の裏につけるように
- ③「カ」…舌の奥を上顎の奥につけるように
- ④「ラ」…舌をまるめるように
各発音 8回を2セット行う。
5.唾液腺マッサージ
②飲み込むパワー(嚥下機能)をつける体操
飲み込みに関連する筋力をアップすることで、食事中の「むせ」などの症状改善につながります。
1.開口訓練
- ①ゆっくり大きく口を開け10秒間保持する。
- ②しっかり口を閉じて10秒間休憩する。
3.おでこ体操
- ①指先を上に向け、手のひらでおでこを押し合うようにする。
- ②おへそをのぞきこみながら、5つ数える。