歯の健康のために今できること
先日の記事で「8020運動」というものがあるというお話をしました。
80歳までに20本の歯を残そうという、厚生労働省による運動です。
高齢になった時に残っている歯の本数が多ければ多いほど、寿命が長くなるというデータが報告されています。男性の場合は60歳以上、80歳以上になると男女ともにその傾向が明らかになります。
ここからわかるように、お口の健康が全身の健康に大きな影響を及ぼすことは、広く知られるようになってきました。
健康的な歯をいつまでも長く維持するためには何が必要なのでしょうか?
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1毎日のしっかりしたブラッシング
歯みがきは単純に歯についた食べ残しをとるためだけではなく、本来の目的は虫歯の元である歯垢(プラーク)を取り除くことです。この歯垢が溜まってしまうことが、歯の衛生上よろしくない状態となってしまうのです。
歯垢を放っておくと、そのうちに歯みがきでは取りきれない歯石ができ、細菌が繁殖し、毒素を出します。
その毒素が、歯茎を腫らせたり、虫歯・歯周病の原因となり、
ひどくなれば歯が抜け落ちてしまう原因にもなりかねません。
人それぞれ歯の本数、歯並びが違うことで、歯みがき方法も人それぞれ違ってくるのですが、
重要なのは『歯をみがく習慣をつける』ということです。
こまめに口の中を清潔にする癖をつけることで、歯垢がつきにくい環境を自分で作る習慣ができるわけです。
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2ホワイトニング
でも、歯磨きだけでは落としきれない着色はやはり加齢とともに増えていくのが現状です。
そんな時にしておくべきなのが「ホワイトニング」ではないでしょうか。
ホワイトニングとは、その名の通り、「歯の漂白」。歯みがきだけでは落ちない加齢や飲食物による着色を、歯を削ることなく白くする方法のことを言います。
歯の表面に薬剤を塗布し、歯の黄ばみや色素を分解して歯を白くしていきます。着色や色の元になる汚れが落ちることで 歯の本来の白さを引き立たせます。
これにより、笑顔の時の魅力が格段にアップするだけでなく、汚れや色素がつきにくい歯を作ることができます。
漂白で歯が白く美しくなると自分の顔に自信を持てるようになって、人との対話が楽しくなります。
自分の歯に対する関心が高まり、口腔衛生管理、特に日常のセルフケアに対するモチベーションも上げることができるのです。
漂白処置後に歯の白さと健康を保つためには、定期的に歯科医院でメインテナンスを受けることが重要です。定期的にプロによる歯のクリーニングを受け、また必要に応じて再度ホワイトニングの処置を受けることによって、いつまでも歯を美しく健康に保つことが可能となり、QOL(生活の質)の向上にもつながります。
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3入れ歯や被せ物(CADCAMインレー)
それでもやはり歯が抜け落ちて、失ってしまう人もいます。歯の抜け落ちる理由は様々ですが、それによる見た目は改善したいと願うのが皆さんの最たる望みではないでしょうか。
歯科治療における被せ物と言えば「銀歯」を思い浮かべる人が多いかと思います。
パラジウム合金などで作られており、見た目が銀色なので一般的に「銀歯」と呼ばれています。
でも金属部が露出することで、これで見た目はあまりいいものではありません。
そこで、目立たず美しく歯を治療する方法としていくつか治療方法が増えました。
CADCAMインレー、CADCAMクラウンとは
銀歯に変わる被せ物、目立たない詰め物として最近出てきたのがCADCAMインレー、CADCAMクラウンです。最近は3Dカメラで歯型を取って、コンピューターで製作したりする方法が主流になってきました。
そんな中で歯科用CADCAMシステムを用いて作る詰め物を、CADCAMインレー(キャド・キャム・インレー)と呼びます。被せ物をCADCAMクラウン(キャド・キャム・クラウン)と呼んでいます。
なおCADCAM(キャドキャム)とは、
Computer Aided Design/Computer Aided Manufacture の略でコンピューターでデザイン(設計)し、コンピューターを利用して製作するといった、工業製品を作る場合に使われる製造方法です。
こちらは銀歯と違ってプラスチックを用いたレジン製であり、金属アレルギーの心配もありません。
また、一部のものが保険適用となり、比較的安価に綺麗な歯を手に入れられるとして普及し始めました。
CADCAMインレー、CADCAMクラウンのデメリット
ただ、こちらも少しデメリットがあったりします。
まず保険適用ですが、こちらは奥歯の第二大臼歯(7番)が上下左右4本ともあれば、小臼歯(4番、5番)大臼歯(6番)まではできるのですが、
第二大臼歯(7番)がが上下左右しっかりと残っていないと、小臼歯(4番、5番)大臼歯(6番)まで白い詰め物の保険適用ができないことになります。
また、プラスチックを含むレジン素材のため、歯ぎしりや食いしばりが強い方は、割れたり、欠けたりすることがあります。
さらに、こちらは単色のため、自分の歯と比べると色合いや光沢感に差が出てしまいます。
そのために自分の歯をもっとホワイトニングしたりある程度の措置を施さないと色合いを合わせることができないのです。
色調や光沢感をご自身の歯と同じにして、更には耐久性も大事にしたい、
そのような願望を叶えてくれるおすすめの方法があります。
次の項ではそちらをご紹介しようと思います。
「セラミック」という歯の健康法
金銀パラジウム合金やアマルガムという素材で作られた「銀歯」や、色の自然さがでなくてやや脆い「CADCAMインレー、CADCAMクラウン」にかわる、メタルフリー素材の被せ物があります。
それが「セラミック」です。
本物の歯と変わらないくらい綺麗な見た目で歯を作ることができ、虫歯治療のみならずホワイトニングや矯正としてセラミックを利用する方も少なくありません。
一口にセラミックと言っても、様々な種類があり、それぞれ特徴と適した用途が異なります。そこで今回は、歯科治療としてのセラミックについて詳しく説明していきます。
セラミック治療の長い歴史
セラミックはいわゆる「陶器」を意味する言葉です。
セラミックと聞くとどこか最新の治療方法のように感じる人も少なくないと思いますが、歯の治療における歴史は実は長く、約240年前の1774年、入れ歯にセラミック(陶器製の歯)を使用したことが始まりといわれています。使われ始めた当初は、強度の面から問題が多く存在しましたが20世紀半ばとなると、金属の冠にセラミックを焼き付けたり、セラミックそのものを強化するための方法が生まれました。
種々の材料を混同して強度を増やすなどの開発が進み、現在では白く・美しく・強度のあるセラミックで治療ができるようになっています。
このように歴史あるセラミックによる治療で、歯は自然な白さと強度を得ることができるのです。
セラミックの主な種類
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックはプラスティックの中にセラミックのパウダーを混ぜ合わせた材料となります。
ジルコニアセラミック
二酸化ジルコニウムとも呼ばれ、白いダイヤと呼ばれている素材です。最近では、アクセサリーとしても愛用されるようになり、人工ダイヤとして有名になってきましたね。
セラミックのなかでも一番優れた審美性・耐久性を誇り、従来のセラミックのデメリットを克服した素材として、審美歯科治療において最も注目されています。
オールセラミック
現在は、e-MAXが多く選択されています。二ケイ酸リチュウムガラスセラミックとも呼ばれ、
ジルコニアと共に非常に多く使われる材料になります。
e-maxクラウンとメタルフリーのメリット
日進市の「歯科オーラルクリニック エクラ」では、先述した「オールセラミック」のe-maxを利用した治療が行われています。e-maxは世界最先端のセラミック材料です。全く金属を使用しません。
口の中に金属があると、金属アレルギーをお持ちの方などは健康上あまり良くありません。
金属アレルギーは遅延型アレルギーのため、身体のかゆみやかぶれといったアレルギー症状の原因が銀歯にあると特定できるまでに時間がかかるようです。
銀歯などではお口の中にずっと取り除けない原因物質があるわけなので、解決できない問題が発生してしまうのです。
そこで力を発揮するのがe-maxです。
強度を誇りながらも同時に適合の正確性、審美性を兼ね備えています。耐摩耗性が最も天然歯に近いと言われ、おすすめです。
また、セラミック治療は健康保険の適用ができない自費治療であるのがほとんどですが、最近ではハイブリットセラミックでの治療は保険適応になるなど、安心してご利用いただける環境が整いつつあります。
その他にもエクラ歯科では、歯の種類によって様々なセラミック素材を利用しながら治療を行なっております。気になることが少しでもありましたら遠慮なくご相談ください。
美しく、健康的な、「20本の歯」を維持しましょう!
いつまでも透明感のある白さと、美しい口元を維持する。
汚れがつきにくく、虫歯や歯周病を起こしにくい口内環境を作る。
その為の方法をいくつかご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
80歳になった時、どのような20本の歯を残すか。それはあなたの歯への関心次第で変わっていきます。
日進市の「歯科オーラルクリニック エクラ」では、今回ご紹介したホワイトニングに関して専門スタッフが細かくご指導いたします。
また、セラミック治療に関する相談、歯の衛生管理についてのアドバイスや治療の相談も随時受けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。