口腔筋機能療法(MFT)

舌のトレーニングでお口ポカンを改善しましょう。

こんにちは、歯科医の小出です。今回は、「お口ポカン」を防ぐための舌のトレーニングについてお話しします。お口ポカンは、特に子供に多く見られ、顔の歪みやその他の健康問題を引き起こすことがあります。この記事では、なぜお口ポカンが問題なのか、そしてそれを改善するための具体的な舌のトレーニング方法について詳しく説明します。

お口ポカンとは?

お口ポカンとは、口を開けたままにする状態を指します。これは、鼻呼吸ができず、口で呼吸することが習慣になっている場合に起こります。お口ポカンが続くと、以下のような問題が生じることがあります:

  1. 顔の歪み: 口を常に開けていると、顔の筋肉や骨格に不均衡が生じ、顔が歪む原因になります。
  2. 虫歯や歯周病のリスク増加: 口呼吸は口内の乾燥を招き、唾液の減少により虫歯や歯周病のリスクが高まります。
  3. 睡眠障害: 口呼吸は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となることがあります。
  4. 発音の問題: 正しい発音が難しくなり、言語発達に影響を及ぼすことがあります。

お口ポカンの原因

お口ポカンの原因にはいくつかの要因があります。

  • 鼻づまり: アレルギーや鼻中隔湾曲などによる慢性的な鼻づまり。
  • 口の筋力低下: 舌や口周りの筋肉が弱いと、口を閉じていることが難しくなります。
  • 習慣: 幼少期から口呼吸が習慣化している場合。
  • ストレス: ストレスが原因で口呼吸になることもあります。

舌のトレーニングの重要性

舌のトレーニングは、お口ポカンの改善に非常に効果的です。舌の筋肉を鍛えることで、自然に口を閉じ、正しい呼吸法を習慣化することができます。ここでは、誰でも簡単に始められる舌のトレーニング方法を紹介します。

1. 舌の位置を確認する

正しい舌の位置は、上あごに軽く触れている状態です。舌が上あごに触れることで、口を閉じやすくなり、鼻呼吸が促進されます。

トレーニング1:舌の位置確認

2. 舌のストレッチ

舌の筋肉を伸ばすことで、柔軟性を高めます。

  • 舌を前に突き出し、5秒間保持します。
  • 次に、舌を上あごに押し付けるようにして、5秒間保持します。
  • 左右にも同様に動かし、各方向で5秒間保持します。

トレーニング2:舌のストレッチ

舌を前に突き出す、上あごに押し付ける、左右に動かす。

3. 舌プレス

舌の筋力を強化するためのトレーニングです。

  • 舌を上あごに強く押し付け、10秒間保持します。
  • これを1日に10回繰り返します。

トレーニング3:舌プレス

舌を上あごに強く押し付けます。

4. 舌のエクササイズ

舌の動きを意識して行うエクササイズです。

  • 舌を口の中で円を描くように動かします。右回り10回、左回り10回行います。
  • 舌を「ラ行」の発音を意識しながら動かします。

トレーニング4:舌のエクササイズ

舌が口の中で円を描きます、ラ行の発音するイメージです。

日常生活での工夫

トレーニングだけでなく、日常生活での工夫も大切です。以下のポイントに注意しましょう:

  • 正しい姿勢を保つ: 姿勢が悪いと、呼吸にも悪影響を与えます。背筋を伸ばし、頭をまっすぐに保つことを意識しましょう。
  • 鼻呼吸を意識する: 日常生活で鼻呼吸を意識することが大切です。意識して鼻で呼吸する習慣をつけましょう。
  • 環境の整備: 室内の湿度を適切に保つことで、鼻の通りを良くすることができます。加湿器を使用するなどの工夫をしましょう。

日常生活での工夫

正しい姿勢、鼻呼吸を習慣化していきましょう。

お口ポカンの事例と舌トレーニングの効果

実際の事例を交えて、お口ポカンがどのように改善されたかをご紹介します。

事例1:6歳の男の子の場合

6歳の時にお口ポカンがひどくなり、歯並びが悪くなってきました。彼の母親は心配し、歯科医院に相談に来ました。彼の診断結果は、口呼吸による顔の歪みと歯並びの問題でした。

初期の状態

  • 口呼吸: 常に口を開けて呼吸していた。
  • 顔の歪み: 頬がたるみ、顎のラインがぼやけていた。
  • 歯並び: 前歯が突出していた。

改善のためのアプローチ

  1. 舌トレーニング: 毎日、舌のストレッチとプレスを行いました。
  2. 鼻呼吸の練習: 夜間に口を閉じるためのテープを使用し、意識的に鼻呼吸を練習しました。
  3. 生活習慣の見直し: 姿勢を改善し、ストレスを軽減するためのリラクゼーション法を取り入れました。

結果

  • 3ヶ月後: 顔のラインが明瞭になり、頬のたるみが改善されました。
  • 6ヶ月後: 前歯の突出が減り、歯並びが改善されました。
  • 1年後: 口呼吸がほぼなくなり、鼻呼吸が習慣化しました。

事例2:10歳の女の子の場合

10歳の時に学校の健康診断で口呼吸が指摘されました。彼女は常に口を開けており、集中力が続かないことが問題でした。

初期の状態

  • 口呼吸: 授業中も口を開けて呼吸していた。
  • 集中力の欠如: 短時間で注意が散漫になることが多かった。
  • 発音の問題: いくつかの音が正確に発音できなかった。

改善のためのアプローチ

  1. 舌のエクササイズ: 毎日、舌の位置確認とエクササイズを実施しました。
  2. 発音練習: 正しい発音を意識しながら、舌の動きを鍛える練習を行いました。
  3. 環境の整備: 学校と家庭での環境を見直し、集中力を高めるための工夫をしました。

結果

  • 3ヶ月後: 集中力が向上し、授業に積極的に参加できるようになりました。
  • 6ヶ月後: 発音が改善され、正しい音を出せるようになりました。
  • 1年後: 口呼吸が減少し、鼻呼吸が自然に行えるようになりました。

舌トレーニングの具体的な手順

繰り返しになりますが、具体的な舌トレーニングの手順を詳しく説明します。

ステップ1:正しい舌の位置を確認する

最初のステップは、舌の正しい位置を確認することです。これは、上あごに軽く触れる状態です。この位置を維持することで、口を自然に閉じることができます。

トレーニング:舌の位置確認

  • 舌を上あごに軽く押し付け、その状態を10秒間保持します。
  • これを1日に10回繰り返します。

ステップ2:舌のストレッチ

次に、舌の柔軟性を高めるためのストレッチを行います。

トレーニング:舌のストレッチ

  • 舌を前に突き出し、5秒間保持します。
  • 舌を上あごに押し付け、5秒間保持します。
  • 舌を左右に動かし、それぞれ5秒間保持します。
  • これを1日に各方向10回繰り返します。

ステップ3:舌プレス

舌の筋力を強化するために、舌プレスを行います。

トレーニング:舌プレス

  • 舌を上あごに強く押し付け、10秒間保持します。
  • これを1日に10回繰り返します。

ステップ4:舌のエクササイズ

舌の動きを意識して行うエクササイズです。

トレーニング:舌のエクササイズ

  • 舌を口の中で円を描くように動かします。右回り10回、左回り10回行います。
  • 舌を「ラ行」の発音を意識しながら動かします。これを1日に10回繰り返します。

舌トレーニングのポイントと注意点

舌トレーニングを行う際には、以下のポイントに注意してください:

  1. 継続が大切: 舌トレーニングは、継続的に行うことが重要です。毎日少しずつ行うことで、効果が現れます。
  2. 正しい方法で行う: 正しい方法でトレーニングを行わないと、効果が得られないばかりか、逆効果になることもあります。イラストや動画を参考にしながら、正確に行いましょう。
  3. 無理をしない: 初めは筋肉が慣れていないため、無理をしないように注意しましょう。徐々に負荷を増やしていくことが大切です。
  4. 専門家に相談: トレーニングを行っても改善が見られない場合や、痛みが生じる場合は、専門家に相談することをお勧めします。

補足:二重顎の予防、アンチエイジングのための舌トレ

二重顎予防のための舌のトレーニング

二重顎は、見た目の問題だけでなく、健康にも影響を及ぼす可能性があります。舌のトレーニングがどのように役立つか、その重要性について詳しく説明します。

二重顎とは?

二重顎は、顎の下に余分な脂肪や皮膚がたまる状態を指します。年齢や体重の増加、姿勢の悪さなどが原因で生じることが多いですが、口周りの筋肉や舌の機能が低下することも一因です。

なぜ舌のトレーニングが重要なのか?

舌の筋肉は、顔全体のバランスを保つために重要な役割を果たしています。舌が正しい位置にあることで、顎や首周りの筋肉も正しく機能し、二重顎の予防につながります。以下に、舌のトレーニングの具体的な効果を説明します。

1. 顎周りの筋肉を強化

舌のトレーニングは、顎周りの筋肉を強化するのに役立ちます。強い筋肉は、脂肪がたまりにくく、引き締まったフェイスラインを保つのに効果的です。

2. 姿勢の改善

舌の位置が正しいと、自然と姿勢も良くなります。姿勢が良いと、顎のラインが引き締まり、二重顎の予防につながります。

3. 血行促進

舌の動きによって、顔全体の血行が良くなります。血行が良くなることで、老廃物が排出されやすくなり、肌の引き締め効果も期待できます。

舌のトレーニング方法

1. 舌を前に出す

  • 舌をできるだけ前に突き出します。
  • この状態を5秒間キープし、ゆっくりと戻します。
  • 10回繰り返します。

2. 舌を上に持ち上げる

  • 舌を上に持ち上げて、上顎に触れるようにします。
  • この状態を5秒間キープし、ゆっくりと戻します。
  • 10回繰り返します。

3. 舌を左右に動かす

  • 舌を左右に動かします。左から右へ、そして右から左へとゆっくり動かします。
  • 各方向に5回ずつ動かします。

4. 舌を巻く

  • 舌を丸めて、筒状にします。
  • この状態を5秒間キープし、ゆっくりと戻します。
  • 10回繰り返します。

二重顎の予防と改善には、舌のトレーニングが効果的です。日常的に行うことで、顔のバランスを整え、引き締まったフェイスラインを保つことができます。ぜひ、日々の生活に取り入れてみてください。

アンチエイジングのための舌トレーニング

舌のトレーニングは、顔全体の若々しさを保つために欠かせない要素です。舌の筋肉を鍛えることで、見た目だけでなく、健康面でも多くのメリットがあります。

なぜ舌トレーニングがアンチエイジングに効果的なのか?

舌の筋肉は、顔の筋肉と密接に関連しています。舌の位置や動きが正しいと、顔のバランスが整い、若々しい印象を保つことができます。以下に、舌トレーニングがもたらす具体的な効果を説明します。

1. 顔のリフトアップ効果

舌のトレーニングは、顔のリフトアップに効果的です。舌を使って顔の内側から支えることで、頬や顎のたるみを防ぎ、引き締まったフェイスラインを維持することができます。

2. しわの予防

舌を正しく使うことで、顔全体の筋肉が活性化され、血行が促進されます。これにより、しわの原因となる筋肉の硬直を防ぎ、肌の弾力を保つことができます。

3. 口元の美しさを保つ

舌のトレーニングは、口元の筋肉を鍛えるのにも役立ちます。これにより、口角が下がるのを防ぎ、笑顔が美しく保たれます。

4. 姿勢の改善

舌の位置が正しいと、自然と姿勢も良くなります。良い姿勢は、首や肩の筋肉に負担をかけず、全身のバランスを保つのに役立ちます。姿勢が良いと、見た目にも若々しい印象を与えます。

5. 呼吸の改善

舌のトレーニングは、呼吸機能の改善にもつながります。鼻呼吸が促進されることで、酸素の摂取量が増え、細胞の新陳代謝が活発になります。これにより、肌の再生力が高まり、若々しさが保たれます。

舌トレーニングの方法

1. 舌を前に出す

  • 舌をできるだけ前に突き出します。
  • この状態を5秒間キープし、ゆっくりと戻します。
  • 10回繰り返します。

2. 舌を上に持ち上げる

  • 舌を上に持ち上げて、上顎に触れるようにします。
  • この状態を5秒間キープし、ゆっくりと戻します。
  • 10回繰り返します。

3. 舌を左右に動かす

  • 舌を左右に動かします。左から右へ、そして右から左へとゆっくり動かします。
  • 各方向に5回ずつ動かします。

4. 舌を巻く

  • 舌を丸めて、筒状にします。
  • この状態を5秒間キープし、ゆっくりと戻します。
  • 10回繰り返します。

舌トレーニングは、アンチエイジングにおいて非常に重要です。顔のリフトアップ、しわの予防、口元の美しさの維持、姿勢の改善、呼吸機能の向上など、さまざまなメリットがあります。毎日少しずつ取り入れることで、長期的に効果を実感できるでしょう。

若々しさを保ち、健康で美しい毎日を過ごすために、ぜひ舌トレーニングを取り入れてみてください。

まとめ

舌トレーニングは、お口ポカンを改善し、健康な口元を維持するために非常に効果的な方法です。日常的に取り入れることで、自然に鼻呼吸を習慣化し、顔の歪みやその他の健康問題を予防することができます。この記事で紹介した事例やトレーニング方法を参考にしながら、ご自身やお子様の健康を守りましょう。

私は歯科医であり口腔医です。

当院(歯科オーラルクリニックエクラ)でも、早期に発見して検査とトレーニングを行い、改善できるようにします。

 

医療法人 エクラ会 歯科オーラルクリニック エクラ
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小出貴照

歯科オーラルクリニック エクラ院長 小出貴照

愛知県日進市にある歯医者「歯科オーラルクリニック エクラ」では、患者の皆様に安心・安全な歯科医療を提供するため、充実した設備と専門医による治療を行っています。当クリニックでは、院長の小出を含む経験豊富なスタッフが皆様の治療を担当しており、各分野の専門医が在籍しています。また、最新の医療技術を導入することで、難しい症例にも効果的に対応することが可能です。 当院は他の医療機関とも連携をとりながら運営しており、持病のある方にも配慮し、慎重かつ万全な治療を提供しています。患者の皆様が安心して通院いただけるよう、スタッフ一同心をこめてお手伝いさせていただきます。

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