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睡眠時の無呼吸と歯周病の関係性(原因と対策)


前回の記事で適切な睡眠時間を取ることの大切さと、その睡眠時間が自分の歯の本数で左右されてしまうかもしれないというお話をしました。
今回はその睡眠の中でも特に有名な障害として名を馳せる『睡眠時無呼吸症候群』にスポットを当てていきます。


睡眠無呼吸症候群とは

図:睡眠時無呼吸症候群(閉鎖型)と正常な状態の比較


睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気です。
周囲の方からいびきを指摘されたり、夜間の睡眠中によく目が覚める(息苦しくなって目覚めることもあります)たりする人は、この病気を疑ったほうがいいかもしれません。
起床時の頭痛や体のだるさ、日中の眠気などがひどい方も同じことがいえます。

睡眠時無呼吸症候群の病態

睡眠時無呼吸症候群には,
①口や鼻から肺の入り口である声帯に至る空気の通り道が細くなるために発生する閉塞型、②呼吸を調整する脳の働きが低下するために発生する中枢型、
③これら両方が関係する混合型に分けられますが、閉塞型が大部分を占めます。

閉塞型の睡眠時無呼吸症候群の原因のひとつは肥満です。睡眠中にはのどの緊張が緩むので正常の人でも空気の通り道が細くなりますが、呼吸が止まるまでには至りません。
しかし肥満の人は、のどへの脂肪沈着が増加するために空気の通りが悪くなるのです。

睡眠時無呼吸症候群の合併症と予防

 この病気のこわい所は、睡眠中の低酸素や日中の眠気などによるストレスのために高血圧,脳卒中,心筋梗塞などの虚血性肺疾患の発生を増加させることです。
糖尿病や高脂血症もしばしば合併します。これらの合併症により突然死される患者さんもいらっしゃいます。
日本の睡眠呼吸障害研究の中でも、この病気にかかった人は明らかに寿命が短くなることが報告されています。この病気を正確に診断し、必要に応じて治療を行わなければなりません。

歯周病との大いなる関係


米国で行われた大規模な疫学調査によれば、睡眠時無呼吸は重症の歯周炎と有意に関係していることが判明しています。
特に若い世代では、軽症の睡眠時無呼吸があると歯周炎が合併しやすいようです。
歯科クリニックへの訪問回数が少ないこと、そして、不適切な口腔衛生などは、歯周炎の発症と関連することが知られていますが、睡眠時無呼吸も歯周炎の発症に影響している可能性があります。

睡眠時無呼吸があると、健常者と比較して睡眠の質が低下します。ぐっすり眠れないことで、免疫力の低下が起きること、そして、全身性の炎症が生じることから、歯周病菌の感染が成立しやすくなっていかもしれません。

また、睡眠時無呼吸に鼻閉が併発すると呼吸が口呼吸になります。鼻呼吸の重要性は過去の記事でたくさんお伝えしてきましたが、睡眠時無呼吸は鼻呼吸ではなく口呼吸を誘発してしまうのです。
その結果、唾液の分泌の減少と口腔内の乾燥が引き起こされ、歯周病の原因になっている可能性があります。
歯周病によって、歯が喪失してしまうと、睡眠時無呼吸の治療の選択肢が少なくなる懸念があります。ゆえに、日頃から歯の健康を保つことは大切です。寝ている時いびきをかいている人は要注意です。歯周病の有無について診察を受けておくことをおすすめします。


閉塞性睡眠時無呼吸になる前に

無呼吸症候群の中には、「閉塞性睡眠時無呼吸」という症状があります。
簡単に説明すると「睡眠中に息が十分できていないため酸欠になってしまう」ことです。
呼吸が止まり酸欠になると、睡眠も浅くなり、体や脳の疲労が十分に回復しません。これが長い期間続くと、脳や体の健康に重大な問題を引き起こすことになります。
この「閉塞性睡眠時無呼吸」は睡眠中に起こる症状なので、本人が無自覚であることがほとんどです。また特に日本人は欧米人などと比べ、顎が小さく鼻が低いので、骨格的に気道の閉塞が起こりやすいのです。
なお、次のような自覚症状がある方は「閉塞性睡眠時無呼吸」の疑いがもたれます。

・周囲の人にいびきを指摘されたことがある。
・昼間に眠気が襲ってくることがある。
・疲れが取れず日常的に倦怠感がある。
・朝起きると頭痛がする。
・朝起きると顎がだるい

しかし、自分が寝ている様子をよく見ている周囲の人も少ないので、症状に気づかないまま過ごしている人もいると思います。
そんな時こそ、歯科クリニックの出番です。
実は、歯科医院に行って歯医者さんに診てもらうと気付いてもらえることがあります。
なぜわかるのか疑問に思う方もいるかもしれませんが、「閉塞性睡眠時無呼吸」の患者さんのお口の中には、ある共通の特徴があるのです。

・歯ぎしりによる歯の咬耗(すり減り)がある
・食いしばりにより、頬や舌に痕がついている
・かぶせ物や詰め物に傷みが見受けられる
・治療中仰向けになった際にすぐいびきをかき始める
・不正咬合で口腔内が狭く気道が閉塞しやすい兆候がある

歯医者さんに行って、上記のような指摘をされた場合、睡眠時無呼吸を疑い、専門病院にかかることをおすすめします。

こまめな口腔ケアで失う歯の本数は減らせる!


今回は無呼吸症候群を中心に、歯周病との関係についてのお話でした。

2009年に発表されたオーストラリアの研究では、閉塞性睡眠時無呼吸と慢性的な歯周炎は互いに多くの全身疾患と関係していることが証明されました。

このことは、歯周の周りの健康と睡眠時の呼吸が、喫煙、飲酒、高血圧、高コレステロールを含む様々な生活習慣によっていかに脅かされているかがわかり、さらに、糖尿病や閉塞性肺疾患と繋がっていることを表しています。

睡眠時の呼吸は寝ている間のことなのでなかなか意識できないかもしれませんが、予防の意識を持ってしっかり口腔ケアを行い、鼻呼吸を心がけることで、睡眠時の呼吸停止の要因を減らすことができます。また、定期的な歯科検診によって、事前に無呼吸症候群の可能性を発見し、健やかな眠りのための体内環境を整えるようにしましょう。

日進市の「歯科オーラルクリニック エクラ」は、定期検診はもちろん、閉塞性睡眠時無呼吸の診断、鼻呼吸の方法など、睡眠の際の健康づくりにお役立ちできるように、豊富な知識でご相談にお応えしております。睡眠の際のいびきなど違和感のある方も、是非お気軽にご相談ください。

医療法人 エクラ会 歯科オーラルクリニック エクラ
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Mia(ミア)

Mia

歯科助手をしながら、歯科衛生士を目指しているMia(ミア)です。 人の役に立てるような仕事に就きたい、手に職を付けたいという思いから歯科衛生士を目指しています。患者さんからたくさん「ありがとう」と言ってもらえるように頑張っています。

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