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やめよう、口呼吸!鼻呼吸から始まる健康法

口腔機能が低下していたり、生まれつき機能不全であったりすることが最終的にお口の中の健康を害してしまっていることにつながることは以前の記事でお話ししたかと思います。
お口の中の健康は歯の健康にとってなくてはならないものです。
ですが、日頃生活をする中でお口の中の健康に害を及ぼしかねない習慣が一つだけあります。
それが「口呼吸」です。
口を開けて寝てしまっていたり、鼻で息ができずに口がぽかんと開いてしまっていること、ないでしょうか?

今回は口呼吸とは何か、口呼吸をすることで及ぼされる体内の状態を中心にお話ししていこうと思います。

口呼吸ってどんな呼吸?

口呼吸はその名の通り、「口で息を吸ったり吐いたりする」ことを言います。

本来、口は食べるための器官、鼻は呼吸をするための器官であるとされ、自ずと使い道が決まっています。ところが人間は「しゃべる」ことが出来るようになったため「口呼吸になりやすい」動物となるそうです。

鼻呼吸だと鼻毛や線毛といった防御機構により花粉やチリなどを空気中から効率よく除去してくれますし、加湿・加温能力も優れています。冷たくて乾燥した空気でも、体にとって害のない綺麗な空気にして肺へ送り込んでくれます。たとえ、マイナス何十℃という空気を吸っても、鼻呼吸だと鼻の奥に流れ込んだとたんに体温近くにまで温めることができるわけです。

ところが口呼吸の場合は、空気をキレイにしたり、加温加湿したりという装置がありませんから、空気が汚れたまま肺の方に送られてしまいます。

人は一日になんと2万回もの呼吸をすると言われています。これを正しい鼻から行うのか、間違って口から行うのかであなたの健康度合いは大きく変わります。

私は口を閉じて息しているから大丈夫という人も侮るなかれ、口呼吸が一番恐ろしい理由は、誰もが「無意識」に行っているからなのです。

口呼吸のサイン

さまざまな病気を発症する可能性があるだけでなく、心にも影響を及ぼすという口呼吸。
特に子どもうちから無意識にしている口呼吸を、保護者が認識していないケースは少なくありません。
では、口呼吸のサインとしてはどのようなものがあるのでしょうか?

口呼吸をすることによる分かりやすい変化の一つに、口臭があります。
くちびるや口の中の乾燥や、風邪を引くなどでも口臭は発生しますが、口呼吸が習慣化していると臭いがきつくなります。

もうひとつのポイントは、睡眠時の状態です。
寝ているときに口が開いてしまうのは、明らかに口呼吸をしているサインです。
特に子どもの場合ですと、重症化している証です。
起きているときに口が開いている子供でも、睡眠時はたいてい口は閉じているものです。
それが寝ている時に開いてしまうということはかなりしっかり口で呼吸をしていると言えます。

 

表情までも変えてしまう口呼吸


顔の表情や顔の特徴は子どもの時に形づくられると言います。
子どもの頃の指しゃぶりや爪を噛む癖が、大人になった時の歯の形に影響するのと同じように、呼吸も大いに影響を及ぼします。
口呼吸をする子どもは食べ物を飲み込むとき、舌で前歯を押すように飲み込む癖がつきやすくなります。
このときに生じる力で歯並びが乱れ、いわゆる出っ歯や受け口になったり、上下の噛み合わせが悪くなり、歯磨きをしても汚れがしっかり落とせず、虫歯の原因となったりします。

さらに、口呼吸の習慣は、
・下唇が出ていて厚ぼったい
・あごの部分に梅干しのようなふくらみとシワができる
・左右の目の大きさが違う
・目の周りが腫れぼったく、むくむ
など、特有の顔貌を示します。

口を閉じていないために、顔の筋肉が十分に使われていないことで、このような顔の特徴が生まれます。

目指せ口呼吸改善!「あいうべ体操」

では、そんな状況を打破するために、ちょっとした対策方法をお伝えします。

「あいうべ体操」って聞いたことがありますか?
あいうべ体操は、口呼吸を鼻呼吸に改善していく口の体操のことです。
いつでもどこでも誰でもできる「あいうべ体操」は食後に10回、一日30回を目安に地道に続けると、舌力がついて自然を口を閉じることができるようになるそうです。

口呼吸の改善は、あらゆる病気の原因治療につながります。
そのため、「あいうべ体操」をしっかり継続している人は、自然に鼻で呼吸ができるようになり、症状が改善していくことがあります。

呼吸は生まれてから死ぬまで一時も休むことなくしなければなりません。
それを鼻からする鼻呼吸なのか、口からする口呼吸なのかで驚くほど体調は変わっていきます。

あいうべ体操のやりかた

次の4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。

(1)「あー」と口を大きく開く

普段よりも大きめに

(2)「いー」と口を大きく横に広げる

首に筋が張るくらいまで

(3)「うー」と口を強く前に突き出す

しっかりと前に突き出します

(4)「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす

顎の先をなめる感じで

(1)~(4)を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続ける

この体操は、真剣に行うとかなり疲れます。慣れるまでは、2~3度に分けたほうが続けやすいでしょう。入浴時にやるのがおすすめです。
また、「あいうべ体操」は、しゃべるときより口をしっかり、大きく動かす必要がありますが、無理は禁物です。

とくに顎関節症の人やあごを開けると痛む場合は、回数をへらすか、「いー」「うー」のみをくり返してください。この「いー」「うー」体操は、関節に負担がかからないため、何回行ってもけっこうです。
「ベー」がうまくできない人は、大きめのあめ玉をなめて、舌を運動させましょう。舌運動と甘味の刺激で、脳も活性化します。

 

口呼吸についての知識を身につけ、健康的な呼吸をしよう!

今回は「口呼吸とは何か」について基礎的な部分を解説いたしました。歯磨きも大切ですが、「口で呼吸しない」ついてはさらに重要です。

以下の記事では「なぜ口呼吸がよくないのか!」について解説しているので、こちらの記事もぜひ併せて読んでみてくださいね。
医療法人 エクラ会 歯科オーラルクリニック エクラ
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Mia(ミア)

Mia

歯科助手をしながら、歯科衛生士を目指しているMia(ミア)です。 人の役に立てるような仕事に就きたい、手に職を付けたいという思いから歯科衛生士を目指しています。患者さんからたくさん「ありがとう」と言ってもらえるように頑張っています。

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