歯周病にはどうしてなるの?
「歯周病」の直接の原因は歯垢です。発症する要因はいくつかあります。ブラッシングの方法(きちんと磨けていない)、食べる物の質、お酒や煙草の習慣、睡眠不足、慢性的な疲れ、ホルモンのバランスが崩れているなど、いくつもの生活習慣が影響しています。
今回はブラッシングについて説明をしていきます。家でのブラッシングだけでは除去できないシツコイ汚れは、定期的に歯科医師の検診を受け「歯石」を除去してもらうことも大切です。
歯を失ってしまう一番の原因を、皆さんはご存じですか?
むし歯だと思われる方も多いかと思いますが、実は「歯周病」です。歯周病はとても怖い病気で、皆さんが気付かない間に時間をかけて進行します。
普段の生活で気付かないような症状がでる時には、すでに手遅れな場合が多く、問題の周りの歯も病気になってしまい、何本も抜けてしまう恐れがあります。
そんな歯周病にならないように口腔ケアをしっかりやっていきましょう。
歯周病の予防と治療
歯周病予防でいちばん大切なのは歯垢がつかないようにすることです。30歳以上の成人の約80%がかかっていると言われる歯周病にならないように
毎日の正しい歯みがきや定期的な歯石除去が効果が高いです。
歯周病の5段階進行図
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1正常な状態
- 歯ぐきがしっかりと引き締まっている
- コーラルピンクの色をしていて、弾力がある
- ブラッシングなどによる出血はない
- 歯肉溝は1mm程度
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2歯肉炎
- ブラッシングで出血する
- 歯ぐきがしっかりと引き締まっている
- 歯ぐきに赤いところが出てくる
- 歯を磨くと出血する
- 歯が浮いたような感じがする
- 歯ぐきにかゆみを感じる
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3歯肉炎(軽度)
- 歯ぐきが時々赤く赤紫になり、はれている
- 歯ぐきから血や膿みがでることがある
- 歯周ポケットが深くなる
- 冷たい物を食べると歯がしみる(知覚過敏)
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4歯肉炎(中度)
- 歯肉が大きく膨らみ赤紫
- 歯がぐらぐらし、やがて歯が抜ける
- 口臭が気になりだす
- 食べ物が噛みづらい
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5歯肉炎(重度)
- 歯ぐきがブヨブヨして血や膿みがでる
- 歯がぐらぐらし、やがて歯が抜ける
- 口臭がひどくなる
- 食事しただけで膿や出血をする
歯みがきを見直しましょう!
通常の歯みがき剤は、歯を白くする成分、汚れを研磨する成分、泡を立ちやすくする成分、甘みを出すような成分など、いろいろな成分が含まれています。ここで気をつけたいのが、製品の選び方。
なかには「歯周病」の治療には向かない歯みがき剤や、口臭予防のみで殺菌成分を含まないマウスウォッシュもあります。「歯周病」の治療を目的とする場合は(1)抗菌作用のある専門薬を選ぶことが重要です。また歯根が露出している場合は、歯や歯肉を痛めないよう(2)歯だけではなく歯肉を削ってしまう研磨剤などを含まない歯みがき剤を選び、正しいブラッシング法を行うこと。そして歯みがきをした後に(3)フロスを使用すれば万全です。
歯を失う原因の80%以上は「歯周病」と「むし歯」
歯と歯ぐき(歯肉)のすきま(歯周ポケット)から侵入した細菌が、歯肉に炎症を引き起こし、さらには歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまう病気を歯周病です。
むし歯との違いは、痛みが出ないのですぐに気づかず、知らない間に進行してしまいます。歯周病により、歯肉からの出血などが起こった後、歯が自然に抜け落ちるほど重症になることもあります。
歯磨きの順序の順序は?
歯ブラシとデンタルフロス使う順番
エクラ歯科では、毎日の歯磨きの際に歯ブラシでのブラッシングだけでなく、デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシを毎日の歯磨きの習慣に取り入れてもらえるよう患者様へ歯磨き指導を行っています。
エクラ歯科でお伝えしている歯を磨く順序は、デンタルフロス・歯間ブラシを先にその後、歯ブラシの順番です。
その理由は、①デンタルフロス・歯間ブラシ→②歯ブラシの方が歯垢の除去率が良くなるからです。
米国歯周病学会誌で「デンタルフロスは歯磨きの前に行うことが最も効果的に歯垢を除去する理想的な順序である」という研究結果が報告されているそうです。
歯ブラシのみでの歯磨きでは歯垢除去率は60%ですが、デンタルフロスや歯間ブラシを併用すれば、80%まで汚れを落とすことができます。
デンタルフロスとは
歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間(歯間部)の清掃に用いる清掃用具のひとつで、歯間清掃専用の弾力性のある細いナイロンのフィラメント(とても細い繊維)を数多くより合わせて作られています。このフィラメントが歯と歯の間に広がり、歯と歯の間にたまったプラーク(歯垢)を捕らえて取り除きます。デンタルフロスには「糸巻きタイプ」と「ホルダーつきタイプ」の2種類があります。
(糸巻きタイプ)
必要な長さを切り取り、指で操作して歯と歯の間を清掃するタイプです。
(ホルダーつきタイプ)
ホルダーにフロスが取り付けられているもので、指での操作が難しい方や初めて使う方に使いやすいタイプです。
糸巻きタイプの使い方
1. デンタルフロスを40cmくらいに切り、両手の中指に2~3回巻きつけ、15cmくらいの長さにしてピンと張ります。
2. 両手の親指と人差し指で糸をつかみ操作します。
3. 使う部位に合わせ、左の図を参考に歯と歯の間にゆっくり、小さく動かしながら挿入します。
4. 歯肉の少し中まで(スッと入るところまで)デンタルフロスを挿入します。
5. 歯に巻きつけるようにして、歯の面を2~3回上下にこすって取り除きます。
6. 取り出すときも、ゆっくり小さく動かしながら取り出します。全ての部位の清掃が終わったら、うがいをします。
※ 詰め物に引っかかるなどでうまく外せない時は、無理に外そうとせず、一方の指の糸を外して、外側に引き抜くようにしましょう
ホルダーつきタイプの使い方
ホルダーにデンタルフロスが取り付けてあるため、簡単に操作できるようになっています。
ホルダーの形によって、使用する部位での使いやすさが異なります。
使い方は指に巻きつけて使う場合と同じように使います。
デンタルフロスを使用するときの注意点
1.使い方が分からない場合は、歯科医師や歯科衛生士の指導を受けましょう。
2.少なくとも1日1回、ブラッシング後に使いましょう。
3,鏡を見て、場所を確認しながら歯肉を傷つけないように使用しましょう。
4,糸が引っかかったり、ほつれたりする場合は、歯と歯の間に虫歯や歯石がある場合があります。歯科医院で相談しましょう。
5.子どもの虫歯予防のためにもデンタルフロスは重要です。自分では上手にできない子どもには保護者の方がしてあげましょう。
6.歯と歯の間のすき間が広い部位には、歯間ブラシを使いましょう。
引用:システマ
虫歯の後発部分は歯と歯の間です。もう少し詳しく説明すると、歯と歯が接する1mm下が虫歯の発生しやすい場所です。
そこにアプローチできるのはデンタルフロスです!
デンタルフロスを使用することで虫歯の予防効果が高まります。また、虫歯の早期発見につながります。
歯と歯の間の虫歯を自分の目で発見するのは難しいものです。最初の段階だと症状もありません。
しかし、フロスを使用していると、フロスが引っかかる、切れてしまうことがあります。その場合、その歯と歯の間に、虫歯ができている可能性や、詰め物が合っていない可能性があります。
もし、フロスが引っかかるところがあれば、早めに歯科医院でチェックされることをお勧めします。
現在、日本でのデンタルフロス使用率は2割というデータがあります。
デンタルフロスや歯間ブラシの使用は、虫歯・歯周病・口臭の予防に効果的です。
なるべく多くのみなさまに、歯磨きの習慣アイテムの一つに取り入れてもらえるよう伝え続けていきます。
デンタルフロスや歯間ブラシにも種類やサイズ、使い方のコツなどもあります。ご質問などございましたら、いつでもお気軽に相談してください。