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歯科医師のコレだけは、伝えたい事「嚥下障害と口腔衛生について!」

嚥下障害とは何と読むの?

「えんげしょうがい」と読みます。

簡単にいうと、食事の食べ物がが上手く飲み込めない事です。

では、口腔衛生とは?

歯と口(口腔)の清掃のこと。

色々な方法により、口腔の不潔因子を除去し予防する。 歯と口の清掃には個人が日常的に実施するもの、

歯科医療者が実施するものがあります。

全く関係のないように思えるこの2つの症例ですが、嚥下障害の疑いがある方が口腔衛生を怠ると、

とても恐ろしくまれに死を招くこともあり、お互いに深い関係性がある事がわかります。

今回はこれらの症状がどのように影響し合っているのかを詳しくご説明します。

嚥下障害(えんげしょうがい)

日本気管食道科学会から『嚥下障害えんげしょうがい』のメカニズムをご紹介します。

先ずは、どの様にして食べ物を取り込んでいるのかを知りましょう。

先に図を見て頂きました、これらは食物を取り込んだ時にどの様な仕組みで口から食道を通り胃まで送り込まれるのかを説明しています。

図1 口腔期(こうくうき)の説明。

嚥下(えんげ)は、主に舌の運動により食べ物を口腔(こうくう)から咽頭(いんとう)に送る

「口腔期(こうくうき)」がまず初めにあります。

口に入れた食べ物を咀嚼(そしゃく)して、かたさなども瞬時(しゅんじ)に判断して飲み込みやすいように小さな塊(かたまり)にし、口の奥へ舌を使い送り込みます。

図2 咽頭期(いんとうき)の説明。

嚥下反射(えんげはんしゃ)により食べ物を咽頭(いんとう)から食道(しょくどう)に送る

「咽頭期(いんとうき)」が次の段階です。

この段階では、やるべき事が沢山あります。

鼻に食べ物が逆流しない様に閉じないといけません。

空気を取り込む気管も閉じないといけません。

普段は食道のふたは閉まった状態なので、食物などを飲み込むときに開けないといけません。

余計なふたを全部閉じた事を確認して初めて食べ物を咽頭(いんとう)から食道へ通してあげるのです。

図3 食道期(しょくどうき)の説明。

食道(しょくどう)の蠕動(ぜんどう)運動により胃まで運ぶ

「食道期(しょくどうき)」喉(のど)を通るときですね。

蠕動運動(ぜんどううんどう)とは

 ミミズなどの虫が身をくねらせてうごめきながら進むこと。また一般に、うごめくこと。

 筋肉の収縮波が徐々に移行する型の運動。消化管壁が食物を送る運動などにみられる。蠕動運動。

蠕動運動波(ぜんどううんどうは)で食べ物を奥に移動させます。

次に喉頭蓋(こうとうがい)を閉め食堂への道を確保する。

わたしたちのど食事際に食べ物通り道となり、呼吸際に空気通り道となります。 この仕分けをしている喉頭(こうとう)です。喉頭蓋(こうとうがい)とも言われ、喉頭蓋(こうとうがい)には喉仏(のどぼとけ)と声帯(せいたい)も含まれます。

そして、胃までの道を確保し飲み込む。

図4 各部位の説明。

私達の口から喉にかけての構造です。

嚥下障害(えんげしょうがい)が起こると、食物摂取障害による「栄養低下」と、食べ物の気道への流入「誤嚥(ごえん)*」による肺炎を引き起こす事(嚥下性肺炎(えんげせいはいえん),誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん))が問題になってきます。

この嚥下障害(えんげしょうがい)を引き起こす方には色々な原因がありますが、とくに脳梗塞(のうこうそく)や脳出血(のうしゅっけつ)などの脳血管障害(のうけっかんしょうがい)、神経や筋疾患(きんしっかん)などが原因とするなかで高い確率をもっています。

また、加齢による嚥下機能(えんげきのう)の低下による誤嚥(ごえん)によって引き起こされるともいわれ、高齢者が増える高齢社会を迎えてその対応も課題の一つです。

嚥下(えんげ)障害の症状

声の状態も参考になります。食べ物がのみ込みにくくなった時の自覚嚥下困難(えんげこんなん)や、食事の時のむせ誤嚥(ごえん)などの症状が現れます。飲み込みにくいとの訴えがない場合もありますが、食事の仕方の様子で判断することもできます。固いもの、ぱさついたもの、まとまりのないもの、固形物と水物の混合したものは飲み込みにくい食べ物でありますし、食事に使う時間もかかるようになります。

誤嚥(ごえん)の判断はのみ込んだあとの咳(せき)や、食後によく痰(たん)が出るなどから推測できます。水を飲んだあとの痰が絡んだような声は、喉頭(こうとう)まで食べ物が侵入している可能性があります。気道反射の低下している場合には、むせることは無く、さらに肺炎を起こしやすい状況になるので特に注意が必要です。なお、高齢者の嚥下(誤嚥)性肺炎は、あまり発熱を起こさない事も特徴です。

診断

口腔・咽喉頭(こうくう・いんこうとう)の状態をみてから、おおよその嚥下機能(えんげきのう)を判断します。

舌の運動性機能は口腔期(こうくうき)の食べ物を移動させるのに、咽頭(いんとう)の知覚は咽頭期(いんとうき)を引き起こすのに重要です。

口腔(こうくう)から咽頭(いんとう)にかけては比較的簡単に観察できますが、下咽頭(かいんとう)や喉頭(こうとう)の機能を確認するには、喉頭(こうとう)ファイバーなどの内視鏡検査が必要になります。

実際に食べ物などを嚥下(えんげ)させて誤嚥(ごえん)などを検出する検査には嚥下内視鏡検査(えんげないしきょうけんさ)があります。

また、実際に食べ物がどのようにのみ込まれるかを見る方法としては、造影剤(ぞうえいざい)を用いて嚥下状態(えんげじょうたい)をX線透視下に観察する嚥下造影検査(えんげぞうえいけんさ)があり、現在では最も信頼性の高い方法と考えられます。心の精神や体の機能も含めた全身の状態をチェックします。

治療について

食事からの栄養補給と誤嚥(ごえん)を防止する事を念頭に嚥下障害(えんげしょうがい)の治療に当たります。症状が軽度の場合は誤嚥(ごえん)が起こりにくいように柔らかいものや小さく刻むなどして食べ物の状態を工夫します。

水はとろみを付け誤嚥(ごえん)対策をします、ある程度以上の障害があると、口からだけでは栄養摂取がまともに取れないため、栄養補給をほかの手段に頼らざるをえません。

今日では技術進歩も進み、栄養摂取においては、静脈内に高カロリーの溶液を投与する方法や、胃への直接流し込む方法などさまざまな経管栄養(けいかんえいよう)が開発されていて、生活スタイルに合わせてある程度の選択が可能です。

一方、誤嚥の防止は非常に難しい問題になってきます。

誤嚥はやっかいなことに、肺炎などを引き起こします。

肺炎の発症は誤嚥の程度だけで決定されるものではありません。誤嚥物の性質、気道からの吐き出す力、肺の状態や全身状態などが複雑に関わり、場合によっては少量の誤嚥でも肺炎を起こします。 肺炎すなわち誤嚥を防止するために、気管切開を行ったうえでカフ付きの気管カニューレという器具を装着することが必要な場合もあります。嚥下障害の改善や誤嚥防止を目的として、手術治療が行われることもあります。誤嚥をできるだけ少なくして経口摂取を可能にしようとする嚥下機能改善手術と、誤嚥をなくすことを主眼とした気道と食道を分離する誤嚥防止術に大別されます。

咀嚼(そしゃく)と口腔(こくう)衛生

実際の食事では、ものを噛みながら(咀嚼:そしゃく)飲み込んでいます。単純な嚥下動作とは異なっており、よりむせ(誤嚥)やすくなります。咀嚼は嚥下にとっても非常に重要な動作であり、このことからも歯の大切さが理解できます。また、口腔内をきれいに保つ事は、嚥下性肺炎の軽減につながるとも言われ、常日頃心がけるべき事です。

嚥下障害では、咀嚼や口腔衛生はさらに重要になるため、歯科医師の先生に指導を受けるのが良いでしょう。一方、嚥下については、栄養摂取や肺炎といった生命に関わる重大な問題が生ずるため、耳鼻咽喉科をはじめとする医師の先生に診断や治療をお任せする事をお勧めします。

*誤嚥(ごえん)とは

食物や唾液は、口腔から咽頭と食道を経て胃へ送り込まれます。食物などが、なんらかの理由で、誤って喉頭と気管に入ってしまう状態を誤嚥(ごえん)と呼びます。誤嚥は肺炎の原因ともなります。
誤嚥に近い状況として、喉頭流入があります。喉頭流入とは、食物が喉頭に流れ込むものの、声門より上にとどまり、気管には侵入しない状態です。

医療法人 エクラ会 歯科オーラルクリニック エクラ
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Mia(ミア)

Mia

歯科助手をしながら、歯科衛生士を目指しているMia(ミア)です。 人の役に立てるような仕事に就きたい、手に職を付けたいという思いから歯科衛生士を目指しています。患者さんからたくさん「ありがとう」と言ってもらえるように頑張っています。

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