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国が検討し、まもなく始まる『国民皆歯科健診』とは・・・

 『国民皆歯科検診』制度とは・・・

 

 

最近のニュースを見ていて、歯科医療的に重要なものを見つけました。
皆さんもお気づきの方がいらっしゃるのではないでしょうか?
先月5月31日、政府は経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)案で、「国民皆歯科健診制度」の検討を明記しました。
これは国民に毎年の歯科健診を義務付ける制度の案で、歯周病などの疾患を悪化前に見つけ、生涯医療費を抑えるためのものだそうです。

日本では現在、高校生までは毎年の歯科健診が義務付けられていますが、
大学生や社会人は対象となっていません。
しかも歯科検診は保険適用外の為、受診率があまり高くありません。
厚生労働省の調査によると過去1年間に歯科健診を受けた人の割合は2016年度に53%だったそうです。

ご存知の通り、歯周病や虫歯は放置することで悪化します。
それを歯科検診で未然に防ぐことが歯の健康に繋がります。
今回はこの「国民皆歯科健診制度」を中心に、歯にまつわる国の取り組みや、皆さんが行うべきお口のケアの方法を紹介、それに伴うメリットについてお話ししたいと思います。

「国民皆歯科健診制度」で、何が変わるのか

現在、歯科検診は1歳半、3歳児、大学を除く学校に通う子どもたちなどに実施が義務づけられています。
40歳から70歳までの成人の方に関しては、義務ではありません。

この制度はこうした検診の義務づけ年齢を拡大し、よりたくさんの人に歯科検診を行ってもらおうというものです。
実はまだ具体的にはどのような形での検診制度となるかはまだ決まってはいません。
これから決定していくようです。

過去の歯科検診の受診率をみてみますと1年以内に受けた人は2人に1人。
また40歳50歳などが受けられる歯周病の検診は20人に1人しか受けていないという現状があるそうです。このことは口腔内ケアの不足につながります。
それは後に歯周病など口腔内の疾患を引き起こし、最終的に生活習慣病などの病気の元を作るといった悪循環に繋がりかねません。

今までこういった口腔内のケアについて政府は「生涯にわたって歯科検診を強化すべき」という曖昧な表現に収まっていました。
しかし、今年の方針では「国民皆歯科検診」というより具代的な表現に変わったのです。

この制度が今後行われていくいかないに関わらず、歯の健康に対する国の関心がより高まったことは事実ですし、これを期に、日々の歯のケアを見直し、歯の健康、口の中の健康について見直してみることは非常に大事なことだと思います。

これまでの投稿でも繰り返しお話ししてきましたが、今回は生きる上で気をつけるべきお口の中の状態、歯まわりの問題とその対策についてお話ししたいと思います。

歯・口の健康に関する問題

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むし歯・歯周病


もっとも一般的なお口のトラブルですね。
歯に歯垢(プラーク)がたまると細菌が増殖します。
細菌は砂糖などの甘味料を分解して酸をつくり、この酸によって歯の表面からカルシウムが溶け出す状態が続くと「むし歯」が発生します。

この歯垢が及ぼす悪影響はむし歯だけではありません。
歯垢内の歯周病菌は増殖すると、歯ぐきに炎症が発生し腫れて出血します。これが「歯肉炎」です。
さらにこの歯肉炎が進んで歯を支える骨が溶けてしまうと「歯周炎」という状態になります。

この歯周病が、誤嚥性肺炎や糖尿病、心臓病、脳梗塞といったほかの病気や、早産などにつながる可能性も指摘されているんです。
“万病の元”である歯周病からほかの病気につながるケースを予防できれば、
結果的に全体の医療費を抑制できるだろうと見込んだのが今回の制度のねらいであると考えます。

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オーラルフレイル

高齢になると、噛めない、飲み込めない、むせる、滑舌が悪くなる、口腔乾燥などの口腔機能の低下症状が多く見られます。
こうした状態を「オーラルフレイル」と言います。

日進市の「歯科オーラルクリニック エクラ」では、こういった状態を直すために舌体操や唾液腺マッサージなどの指導をしています。
その他、年齢に合わせた様々な歯科指導も行っています。

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口腔機能発達不全症

こちらは小さい子供に多い症状です。「食べる」「話す」といった口の機能の習得がうまくできていない子どもが一定数います。
これを機能発達不全症と言います。1歳6カ月、3歳健診時の親御さんからのご相談が多い事例です。

問題解決のための対策

セルフケアとプロフェッショナルケア
こういった問題を解決するために必要なのが「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」です。
毎日食べた後などに自分で定期的に行う歯みがきなどを「セルフケア」、治療や健診などを歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」といいます。歯と口の健康を維持・向上させるにはこの両輪で取り組むことが大切です。

プロフェッショナルケアにはいくつか種類があります。

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歯科検診

今回の政府の施作にもあった、定期検診にあたるものです。
乳幼児期や学齢期、成人期、高齢期などさまざまな世代を対象に、市町村などが「歯科健診」を実施しています。
これにより、疾患の早期発見・治療につなげることができます。

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予防歯科

普通、むし歯などになると歯医者に行きますが、その前にむし歯の予防をするために歯医者に行くことは少ないのではないでしょうか。
近年、予防歯科を重視する歯科医院が多くなってきています。

「歯科オーラルクリニック エクラ」でもこの予防歯科に力を入れています。

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かかりつけの歯科医をもつ

こうした上でライフステージに応じた継続的な口腔の健康管理や、重症化予防のための診療を行ってくれるのがかかりつけの歯科医です。
患者が求めるニーズにきめ細かく対応し、安全・安心な歯科保健医療サービスを提供できる存在です。
歯科健診や、地域の関係機関・他職種と連携して、最近では在宅での診療も実施する歯科医もいます。
普段、よく通う病院や町医者と同じく、歯科医にもそのような存在を一人持つことで、お口の健康管理はかなり楽になることでしょう。

QOL(生活の質)は歯の健康とともに上がります!

QOLという言葉を聞いたことはありますか?
QOLとはクオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)の略称で、「生活の質」や「人生の質」という意味です。
QOLは、生活や人生が豊かであるということの指標となる概念ですが、ここでいう豊かさとは物質的なもののみならず、生きがいや自己実現など精神的な満足度が重要視されます。

上記の図は、さまざまな研究によって得られた疫学調査をもとに口腔の健康状態が全身へ及ぼす影響を示したものです。
不良な生活習慣からむし歯(上記図では「う蝕」と表記)や歯周病が発症し、それによってがんなどの生活習慣病が発生したり、多大な影響がもたらされることがわかります。
これを予防することが歯科医療従事者の課題であると考えます。

以前お話しした8020運動(80歳になっても自分の歯を20本以上保とうという取り組み)の推進で、高齢でも自分の歯がしっかり存在する状況が増えてきています。
しかし、その歯を健康的に保ち続けられる状況は少ないのが現状です。

高齢期には、噛みにくい、セルフケアしにくいと感じる方が増える一方で、歯科に通えない方が多くなる、というデータがあるそうです。
その原因は一概にはいえませんが、高齢になり外出が難しくなってしまったり、さまざまな病気を抱えている方が増え、歯科治療の優先順位が下がってしまう、入院などを機に途切れてしまう、といったこともあるかと思います。

そうした状況だからこそ自分のお口から食事をとることが重要になります。そのためにも、口腔機能の維持・向上が重要であり、そのことを歯科医師だけではなく、皆さんご自身やご家族をはじめ、様々な方に知っていただくことが重要だなと感じます。


日進市の「歯科オーラルクリニック エクラ」では、専門的な知識と皆様に寄り添ったカウンセリングで、生活の質を上げる歯科検診を行っております。その他、歯の治療だけではなく、ホワイトニングやセラミックなどお口の健康に関する様々な情報や指導も行っています。

歯科検診のご予約など、歯の健康に関することで気になることが少しでもありましたら遠慮なくご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

医療法人 エクラ会 歯科オーラルクリニック エクラ
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Mia(ミア)

Mia

歯科助手をしながら、歯科衛生士を目指しているMia(ミア)です。 人の役に立てるような仕事に就きたい、手に職を付けたいという思いから歯科衛生士を目指しています。患者さんからたくさん「ありがとう」と言ってもらえるように頑張っています。

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