そもそも、なんで顎の筋肉をきたえなきゃいけないの?
10代、20代はガムを噛むことで顎(あご)の筋肉を鍛える
(40代以上はガムを噛みすぎると顎関節症のリスクあり。)
どうしてガムで鍛えるの?
皆さんは毎日の食事のなかで【噛む・(咀嚼(そしゃく)する】という行為を意識しているでしょうか?
子供のころ両親やおじいさん、おばあさんに、ご飯を口にいれたら、
「ひとくちで最低30回は噛みなさい」そう耳にタコができるほど言われて
「うるさいなぁ」とは思いながらもモグモグとしっかり
「噛む」という行為をしながら育った記憶がある方は少なくないと思います。
一方でガムを噛むときはどうでしょう?
まわりの誰に何を言われなくても、モグモグ、くちゃくちゃ、
無意識に噛み続けているはずです。
そんなガムを噛むだけの無意識にできる作業で咀嚼(そしゃく)する、
噛む、という行為を促進させ顎(あご)の筋肉を鍛えようというわけです。
【面倒くさい】
現代人にとって咀嚼(そしゃく)や噛むことは時間と労力の無駄
グラフ厚生省・医師会推奨8020運動(ハチマルニイマル)より引用
上記グラフをみてわかるように私たち現代人は咀嚼(そしゃく)する、つまり「噛む」という行為を、
どんどんやらなくなっている傾向にあります。
食事という行為にあまり時間をかけない人が多いのも原因のひとつと考えられます。
女優の新垣結衣さんが2019年TV番組「スッキリ」に出演した際
“「食事中に噛むことが面倒くさくなった」というもの。
「疲れちゃうんです。口の中で噛んで、ものを移動して、飲み込むってこの一連が…」
そんな自分を、さすがに人としてヤバイと思った。”と発言している。
それを受けてツイッターなどネット上でも「めっちゃわかる」と共感の声が多数あがっていた。
この記事を見ることで咀嚼(そしゃく)や噛むことは非常に面倒くさい作業だと
感じている若者たちが想像以上にたくさんいることが明らかになりました。
【簡単にキレイになれる表情筋の運動】
どんなに綺麗な洋服を着て、素敵なメイクをして着飾っていても、
実際のところよく噛む作業をしていないと、顎(あご)や頬まわりの筋肉が鍛えられていないので、
ほうれい線が濃くなってきたりしてしまいます。
さらに唾液の分泌が少ないので胃腸の働きが弱くなって消化機能も衰(おとろ)え、
脂肪をため込みやすい身体になって、ドレスから見える二の腕が太くなり、
たるんたるんになってしまったり、お腹まわりに余計な脂肪がついてメタボになってしまう可能性すらあるのです。
ですから、より少ない食事でも、よく噛むことで満腹中枢(まんぷくちゅうすう)を刺激し、
食べ過ぎを防ぐことができ、メタボの予防にも非常に効果的です。
また、シワやタルミのほか、エッジのきかない輪郭のぼけた顔まわりのラインが、
噛むことによって表情筋を動かすことで引き締まり、改善され、
美しさを取り戻す結果へとつながっていく効果があるというのです。
さらには老化防止にもつながるなんて、
やらなきゃ損!損!だと思いませんか?
どんなガムを選ぶべき?
① キシリトール
白樺や樫の木などを原料としてつくられる天然素材の甘味料。むし歯予防にはキシリトール含有率が90%以上の歯科医専用のキシリトールガムが効果的です。
② リカルデント(CPP-ACP)
牛乳の蛋白質からつくられています。歯のエナメル質の再石灰化を助けます。
③ ポスカム(POs-Ca/リン酸化オリゴ糖カルシウム)
ジャガイモを原料とするオリゴ糖でつくられています。
④ L.ロイテリ菌
人由来の乳酸菌。むし歯や歯周病の原因菌を減らす効果があるとされています。
・いつ噛むの?噛むタイミングや効果的な噛み方は?
ところでガムは1日どれくらい噛むのが理想的なのでしょうか。
現在の研究では、酵素を補うため食事と食事の間に噛むのが良いと言われていますので、
1日に3〜4回が目安になります。1回あたり5分から10分程度がおすすめです。
時間を計るのがめんどうなときは、
キャリーぱみゅぱみゅさんの「ガムガムガール」を聞きながら噛んでみるのもアリかも?しれません。
昭和のディスコのような軽快なリズムに乗って、
楽しく噛めば5分間なんて「あっ」っという間でしょう。
しかし、なぜガムを噛んだ「ガムガムガール」が、
めちゃくちゃ強いゾンビに変身するのか?は、いまだに疑問ですが、
ガムを噛んで鍛えられたことだけは理解できました。
何事も「やりすぎ」にはご注意!
6年ほど前、海外で起きた出来事ですが。
ある38才の女性が健康のためにと、毎日5時間以上ガムを噛み続けていると、
5年ほど経ったある日、彼女の顎が突然開かなくなり激痛に襲われました。
原因はガムのかみ過ぎによる顎関節症と診断されたそう。
彼女は食事やお酒の後に毎日噛み続けていたそうだが、医師によると、
ずっとガムを噛んでいることで顎の筋肉を使いすぎてしまった。食間は顎を休ませるべきだ。
と、彼女のガムを噛む習慣が間違っていたことを指摘した。
そんなニュースが流れたのをご存じの方も多いかも知れません。
何事も「かげん」が必要です。
スマホや仕事の作業の合間に首や肩をグルグルまわしたり、
腰を伸ばしてストレッチしたりするように、適度な運動を顎(あご)にさせてあげる感覚で
「ほどほど」に行うのがよいでしょう。
ガムを噛まなくなった日本人
ガムの売り上げが10年間で4割も落ちている。
若者の車離れやスマホの普及がガム離れを加速させている、との説も。
日本人はどうして、そんなにガムを噛まなくなったのか。
高校生に、ガムは「おいしいけれど面倒くさいお菓子」らしい。
捨てるのが煩わしく、ずっと噛むことも面倒だと。
ガムが“面倒くさい”扱いなのだ。
【農林水産省の調査の結果】
“1回の食事の咀嚼回数と食事時間を調べた報告によると、
戦前の食事は1420回噛み、約22分だったのに対し、
現代の食事は620回で約11分と、噛む回数、食事時間とも半分に減っています。”
農林水産省HPより引用https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics4_02.html
この調査から読み取れるように現代人は咀嚼(そしゃく)や噛むことに時間をかけなくなっている傾向にあることが明らかです。
そして「咀嚼(そしゃく)しない」「噛まない」ためにおきてしまう弊害(へいがい)もたくさんわかってきています。
【ガムを噛むメリット】
シミ・シワ・タルミの予防や改善
ガムを噛むことは健康全般に良いと期待されている今、驚くことに美容にも効果が期待できることを、
まだご存知ない方が多いようです。
噛むことで満腹中枢(まんぷくちゅうすう)を刺激し、食べ過ぎをふせぎ、
表情筋を動かし血流をよくすることで、
シミ・シワ・タルミの予防や改善につながるのです。
虫歯になりにくい
咀嚼(そしゃく)、噛むことをしっかりとすることで、
唾液がたくさん分泌されます。
唾液の中にはIgA(免疫グロブリンA)をはじめ、
リゾチーム(抗菌作用のある溶菌酵素)、
ペルオキシターゼ(酵素)など、いろいろな抗菌物質が含まれています。
そのおかげで虫歯になりにくい口内環境を保つことができるのです。
胃腸にやさしい
食べ過ぎによる消化不良はメタボや太る原因になります。
食後にガムを噛むことで唾液(だえき)の分泌が多くなり、
唾液(だえき)の中に含まれるアミラーゼという消化酵素(しょうかこうそ)が、
胃腸にも行きわたり消化不良を防いだり、必要な栄養素を取り込みやすくしてくれたりします。
ですから、よく噛むことで唾液(だえき)をたくさん分泌(ぶんぴつ)させて消化を促進させることが重要になってくるのです。
鼻呼吸でウイルスによる感染症を予防
近年、大人こどもを問わず、感染症になりやすい口呼吸の方が増えています。
ガムを噛むときには口がふさがりますし、
口・あご周りの筋肉が鍛えられるので、鼻呼吸を促すことができます。
口呼吸が増えると口腔内が乾いてきます。
すると当然のことながら唾液の分泌量が減り、唾液に含まれる抗菌作用がある酵素の量が減り、
口の中に入ってきた菌から守るちからが減ってしまうのです。
顎(あご)周囲の筋肉が鍛(きたえ)えられる
かつて昭和の食卓には、にんじん、ゴボウ、レンコンなどの根菜類、
切り干し大根や漬け物など、おのずとパリパリ、ポリポリしっかり噛まなければ食べられないおかずが並んでいました。
日々の食事を食べることで自然に顎(あご)やその周りの筋肉を鍛えることができていたのです。
しかし今ではハンバーガー、ラーメン、カレーライスなど、
現代人の食事はやわらかいものが多く、
顎(あご)やその周りの筋肉が未発達の人が増えているのが現状なのです。
“「聞き間違いかと思いましたが、ガムを『硬い』と感じる若者が少なからずいて衝撃でした。
我々が考える以上に、若者や子どもの噛む力が弱っている。
噛むことへの意識が変わってきたのではないでしょうか」”
噛むこと研究室より引用https://kamukoto.jp/mouth/1057
そのような場合でもガムを噛んだり、
日々の食事の中で意識的によく噛み咀嚼(そしゃく)することで、
顎(あご)や筋肉の発達を促(うなが)すこともできるのです。
猫背で咀嚼(そしゃく)をすると病気になるって本当?
姿勢が悪い食べ方(噛み方)は、いろいろな面に影響します。
スマホを見ながらなど、下を見て顎(あご)を引いた状態になっていると、
口を大きく開けられません。
また背中をまるめて猫背になっていると、
胃が圧迫されて消化吸収しにくくなります。
さらに、噛んだ力が顎(あご)にしっかり届かず、
唾液の分泌量も増えず、効果がじゅうぶんに発揮されません。
噛む効果が発揮されやすい食事の姿勢はどんな姿勢?
1位 正座
2位 椅子座位(両足が床に着地している)
3位 椅子座位(足が浮いてプラプラしている)
子どもの食事の実験で、椅子が高く足がブラブラしている子どもと、
踏み台の上に足を置いた子どもとでは、噛む力や噛む面積、
噛む回数に15〜20%も差が出たという報告もあります。
つまり、よく噛むためには姿勢だけでなく、
足の裏が床に着いていることも大切なのです。
姿勢が悪く、やわらかいものばかり食べていると、あごの筋肉が十分に発達しなくなります。
その結果、歯並びも悪くなります。特に子どもには、
正しい姿勢で歯ごたえのあるものを積極的に食べる習慣を身につけさせたいものです。
・鼻呼吸を促す
子どもを中心に感染症になりやすい口呼吸の方が増えています。
ガムを噛むときには口がふさがりますし、口・あご周りの筋肉が鍛えられるので、鼻呼吸を促すことができます。
どうやってやるのか、やり方
・40代以上はガムを噛みすぎると顎関節症のリスクあり
なぜリスクになるの?
先にも紹介していましたが、噛むことは(咀嚼そしゃく)することは良い事ですが、
年を重ねるごとに肉体は衰えてきます、それは口の中も同じです。
あごの筋肉は、20代よりも弱くなり、歯自体ももろくなっています、
それらを支えている関節も当然弱くなってくると言う事です。
リスクってどんなリスクがあるの?
・毎日長時間ガムを噛んでいる
・片側ばかりを使って噛んでいる
・早い速度で噛んでいる
・歯をぶつけ合うように強く噛んでいる
・口を開けたまま噛んでいる
・口や顎を大きく動かして噛んでいる
噛みくせの偏った結果は?
ま左右どちらかの噛み癖がついてしまっている場合にはそちら側の筋肉・骨が発達するため顔の形が左右非対称になってきます。頭が傾いていると重心を保とうとするため傾いている側と反対側に噛み癖が現れてきます。
他の年代は?
30代
50代から
顎関節症ってどんな病気
原因や治療法については前回のブログに詳しく記載しておりますのでそちらも合わせてお読みください。
先ほどにも書きましたが、これらが原因になって顎関節症までに発展します。
・毎日長時間ガムを噛んでいる
・片側ばかりを使って噛んでいる
・早い速度で噛んでいる
・歯をぶつけ合うように強く噛んでいる
・口を開けたまま噛んでいる
・口や顎を大きく動かして噛んでいる
顎関節症では、顎関節の一部がズレて動かしづらくなり、関節の動きを鈍くしている場合や、筋肉の痛みのためにあごが動かせない場合があります。
また、痛みがあるために口を大きく開けないで、使わないでいることで、さらに顎関節や咀嚼筋の運動が制限されてしまうことがあります。悪循環となります。
生活指導
日常生活のクセが主な原因の1つであるため、ご自身が積極的に意識する事で症状が軽減される事もあります。咀嚼筋(そしゃくきん)の負担を減らすためには、
猫背、ほお杖をつかないなど姿勢を良くする。
食事では硬いものは避けて噛む回数を減らす。
心理的に緊張する場面を改善したり避ける様にする。
理学療法
物理療法と運動療法があり、それぞれ医療者が行うものと患者さんご自身が行うものに分けます。
物理療法は、普段から手を使い筋肉のマッサージ、
ホットパックなどによる温罨法も効果的、
低周波治療による筋肉への電気刺激、
鎮痛を目的としたレーザー照射などがあります。
筋肉や靭帯などの柔軟性や伸張性を改善するストレッチや、
関節へ直接アプローチして顎関節の動きを良くして開口量を増加させる下顎可動化訓練、
また、疲れやすい筋肉を鍛えて耐久性を向上させる筋力増強訓練などがあります。
コレらは医療者の指導を受けた上で行って下さい。
薬物療法
関節や筋肉の痛みに対して鎮痛剤を処方する。
薬物療法は、定められている服用方法を守ることが大事
薬を服用しても改善が見られない時は、
再度歯科医師と相談して別の治療法を行いましょう。
アプライアンス療法
一般的にはマウスピースやスプリントで治療します。
スタビリゼーション型アプライアンスは、上顎または下顎の全歯列を覆うものです。
睡眠時のはぎしりやくいしばり(睡眠時ブラキシズム)時の
咀嚼筋(そしゃくきん)の緊張の緩和や、
顎関節部への負荷の軽減を目的としています。
まとめ
顎が痛い、かみ合わせがおかしい、口を大きく開けることが出来ない。などの症状がある場合は顎関節症の疑いがあるのでお近くの歯医者さんにご相談ください。
予備軍としては、猫背の方、頬杖を突くクセのある方、食べ物を噛む力が強すぎる方、歯並びが悪くかみ合わせが悪い方、片方の歯だけで噛むクセがある方など
どの様な時でもバランスが崩れているケースがあります。
程よくまんべんなく噛むようにしましょう。
痛みが激しい場合は、マッサージや薬も有効ですが、マウスピースも手段の一つであるのでお口の状態にあったものを購入して頂ければと思います。
エクラ歯科においても、沢山の方のご相談を受けてきました。
経験値の豊富な当院もお気兼ねなくご相談にお越しください。