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口呼吸で引き起こされる病気から身を守ろう!

前回は「口呼吸とは何か」というところから、口呼吸の危険性とちょっとした対策についてお話ししました。
今回も引き続き、口呼吸がもたらす悪影響についてお話ししていきますが、
口呼吸をするとこんな病気にもなってしまうの?!というお話をしていこうと思います。

口呼吸がもたらす病気

口呼吸が引き起こす病気は、人の成長期によって違いがあります。

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1
小児期

アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などが問題となります。
歯並びが悪くなったり、虫歯や歯肉炎が増えたりといった口の問題も起こします。
鼻閉により、集中力や学力が低下することもあります。
その他、慢性扁桃炎を繰り返してしまうことで、IgA腎症という病気に発展してしまうこともあるため、注意が必要です。

step
2
成人期

小児期からの疾患が引き続いていることがあります。
怠い、うつ状態になる、やる気が起きないといった精神症状を見ることがあります。
色々な病気に関係していると言われている歯周病も口呼吸によって悪化します。
カゼを引きやすい、扁桃が腫れやすいなどの病状も出てきます。

step
3
老齢期

いつも口が渇くという、ドライマウスの症状が出てきます。
その影響で、誤嚥性肺炎などが引き起こされます。気道抵抗の高い鼻呼吸は日に日につらくなり、口が開きやすくなってしまいます。
口呼吸は、特に舌の筋肉の衰えが素で下を引き上げる筋力が衰え、引き起こされるということもあり、夜中のイビキや睡眠時無呼吸症候群なども起こる原因となっています。
また、舌の筋肉は脳の活性化にもつながる部分があり、これが衰えることで認知症の発症も引き起こされる可能性もあります。

口呼吸がもたらす精神面への影響


精神的な安定をはかるために、「呼吸法を極めよう」というお話をよく耳にします。
それは口で息をすることで及ぼされる精神面への影響、特に自律神経系の不調に大いに関係しています。

口呼吸で引き起こされる精神的な不調の中に、自律神経失調症があります。
鼻呼吸に切り替えた場合、この自律神経の不調が整い生活しやすくなったという例が多く報告されています。
鼻から取り入れた空気を入れるスペースの近くにはすぐに人間の脳があり、鼻で呼吸することで脳の冷却効果も期待できるのではないかとも言われています。
それが自律神経に作用するといわれている理由の一つです。

このように自律神経が整うことで、集中力や記憶力がアップしたり、さらには夜間頻尿の度合いが下がるとも言われています。
自分ではコントロールすることができない自律神経ですが、唯一呼吸はコントロールすることができます。
このように呼吸の仕方一つで、自律神経の働きにまで影響をおよぼしてしまうのです。


今からでもできる、口呼吸対策グッズ二選


前回の記事でご紹介した「あいうべ体操」のように、口呼吸の対策は直接的には口の筋肉や舌の筋肉を鍛えるための体操をするのが一番なのですが、それだけでは補えられない部分も出てくると思います。
そんな時に役立つ、呼吸の経路を鼻に変えるためのグッズをご紹介します。

口閉じテープ


寝ている時の状態は自分で分かりません。無意識に口を開けている可能性が多いです。
そんな時に力を発揮するのがこの口閉じテープです。
1940年代のアメリカでは夜間の口呼吸対策にすでに口閉じテープが使われていたようで、非常に歴史のある対策方法です。

子どもに使用する場合は、起きている時に口閉じテープを貼った状態で過ごさせてみた後、苦しがらないようなら大丈夫です。


ピロピロ(吹き戻し)健康法

「鼻から息を吸って口から吐き出す」というこの正しい呼吸法を定着させるために、腹式呼吸やペットボトルを使った鍛え方など、巷にはたくさんのマニュアル本が溢れています。

とはいえ、一目見ただけでは難しいものや、初めからはやりづらいものが多くあります。
そんな時、誰でも簡単に行えるということで最近よく聞くのがこのピロピロ(吹き戻し)を使った呼吸法です。

吹き戻しとは、息を吹き込むと「ピーッ」という音とともに紙包みが伸び、吹くのを止めるとクルクルと元に戻るおもちゃのことで、これを健康・美容器具に応用した商品が人気です。
実際に、病院や歯科などの医療機関ではこの器具を使ったトレーニングが推奨されており、肺炎予防、飲み込み力アップ、脂肪燃焼など、その効果が実証されています。

この器具は通常の吹き戻しと違って吹き伸ばすのに呼吸負荷がかかるので、10回吹くだけで結構な力を要します。

これを定期的に吹き続けることで腹式呼吸が身につき、代謝・血流が改善。
口周りの表情筋が鍛えられ、口の締まりが良くなり、必然的に口呼吸の防止に繋がります。
同時に口輪筋も刺激されるので、見た目も若々しくなり、中高年の方々が悩む飲み込みづらさや誤嚥も予防できます。


呼吸法の変化でリウマチやアトピーが改善する例も


たかが呼吸一つ、と侮ってはいけません。口呼吸を止めることで、時には大きな病気の改善も見込まれることがあります。
アトピー性皮膚炎を患った18歳の方は、塗り薬と内服治療を受けていましたが、あまり改善が見られませんでしたが、口呼吸を対策した結果、3ヶ月で綺麗な肌に戻ったという改善例があります。

また、掌蹠膿疱症、関節リウマチを合併している50代の女性は、両方の病気に投薬治療を受けていましたが、なかなか改善しませんでした。ところが自身が口呼吸をしていることに気がつき、鼻呼吸への切り替えを行い、慢性上咽頭炎の治療を行った結果、4ヶ月で皮膚症は改善したというお話もあります。

このように、口呼吸をやめて鼻呼吸に切り替えることは健康を維持する上でとても重要なことであり、これにより様々な病気が改善される見込みがあることがよく分かります。

自分は口呼吸していないから大丈夫、という人ほど、日々の呼吸法を見直し、お口の中の健康、体の健康を維持していくことを少し心がけてみてはいかがでしょうか?

 

鼻から息を大きく吸って、健康的な毎日をすごそう!


今回は「口呼吸」が体の健康にどれくらいの影響を及ぼすのか、また簡単にできる口呼吸対策グッズも併せてご紹介しました。

 

自分が口呼吸かどうかは、自分ではよく分からないことが多いものです。自分がもしかしたら口呼吸をしているかもしれないと、疑って見ることが必要です。

日進市の「歯科オーラルクリニック エクラ」では、歯やお口周りだけでなく、正しい呼吸法についても幅広い知識を持っています。

専門的な知識と皆様に寄り添ったカウンセリングで、自分の呼吸法を見直し、お口の筋肉を鍛えて健康になるお手伝いをいたします。

口呼吸をやめて自分の体を健康にするために是非当院をご利用ください。

医療法人 エクラ会 歯科オーラルクリニック エクラ
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Mia(ミア)

Mia

歯科助手をしながら、歯科衛生士を目指しているMia(ミア)です。 人の役に立てるような仕事に就きたい、手に職を付けたいという思いから歯科衛生士を目指しています。患者さんからたくさん「ありがとう」と言ってもらえるように頑張っています。

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