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コロナ感染症がもたらした『顎関節症』という不調


最近、youtubeやtiktokなどで若い歯科医師の方による動画が流行っているようで、流れてくるのを見ているのですが、その中で、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い増えたあるお口のトラブルについての動画が目にとまりました。
歯科医師の方が話していたその内容についてご紹介したいと思います。

顎関節症って?


最近、顎が鳴る、口を開けると痛いといった症状がコロナ禍で急増しているそうです。
「顎関節症」という言葉をご存知でしょうか?

耳たぶの少し斜め上の位置に指を当ててお口を開けると、少しもっこりするところがあると思いますが、その部位を顎関節と言います。
この顎関節に不調が出て、口を開けたりする際に痛みが出たり、開けづらくなったりするトラブルが「顎関節症」です。
この「顎関節症」、コロナ禍前に比べて、発症率が3倍になっているのだそうです。

顎関節症のしくみ
顎関節というのは、両耳の前に指を当てて口を開け閉めしたとき、盛んに動く部分です。顎関節は、頭の骨(側頭骨)のくぼみ(下顎窩)に、下顎骨の丸く突きでている下顎頭が入り込む構造をしています(図1)。

図1

下顎窩と下顎頭の間には関節円板というクッションの役目を果たす組織があり、下顎窩と下顎頭が直接こすりあわないようになっています。関節円板は骨ではなく、コラーゲンという膠原線維がぎっしり詰まっています。この関節円板と下顎頭が正常に移動することによって、口を大きく開けたり、閉じたりすることができるのです(図2)。

図2

この部分に何らかの障害がある場合、関節円板がずれてひっかかり、はずれるときに音がしたり、ひっかかりが強くなって下顎頭の動きが妨げられ口が開かなくなることもあります。これらの不調のことを顎関節症と呼んでいます。

上記のような関節円板の障害を含め、顎関節症の病気の状態(病態)は現在、筋肉の障害(I型)、関節包・靭帯の障害(II型)、関節円板の障害(III型)、骨の変形(IV型)の4つに分かれています。

顎関節症が起こる原因

では、どうして顎関節症がコロナ禍で急増しているのでしょうか?

ここ数年、コロナ禍により、私たちは様々なストレスを受けています。
外に出られないストレス、常にマスクを付けなければいけないストレス、スマホやSNSを利用する時間が増えるストレス、テレワークなどで長時間パソコンに目を晒され、座ることが多くなることで姿勢が悪くなるストレス…
数えればまだまだキリがありません。

このストレスが顎関節症の引き金になる様々なお口の現象を引き起こしているようです。その他にもさまざまな要因がありますので、ご紹介しましょう。

step
1
歯ぎしり・食いしばり

昨年スペインで子供たちに対して行われた研究によると、携帯やパソコンなどのデバイスの使用時間が増えるほど社会性の低下と不安が増加することがわかったそうです。
夜間、特に就寝前のSNS等の使用により、歯ぎしりや食いしばりが誘発されるそうです。この歯ぎしりや食いしばりが、まさに顎関節症になる要因の一つです。

step
2
新型コロナウイルス感染症の流行

前述にも通じるものがありますが、なんと言っても新型コロナウイルスがもたらした影響はとても大きいです。
新型コロナウイルスの症状において、咳や発熱などが特出している中、口の中の疾患としては味覚の症状くらいで、あまり取り上げられてきませんでした。
しかし、マスクなど口元を日常的に覆い隠す状況は、顎を含めた口周りのストレスを誘発せざるを得ないでしょう。
ずれたマスクの位置を直すとき、顎を最大限まで前に出し顎を最大限まで下げることで、マスクを適正な位置に戻そうとすることがあります。この動きを繰り返すと、顎に負担をかけ、顎関節症を引き起こす可能性が高まるそうです。
マスクを着用すること自体にストレスを感じる人もいますから、このストレスも顎関節症の一因となります。

step
3
噛む筋肉の緊張

根本的に筋肉が硬いことで顎関節症が誘発されることがあります。
これは肩こりと同じような現象ではありますが、ずれた噛み合わせや上下の歯を接触させる癖(TCH)によってひどくなる現象です。
頭蓋骨と下顎を繋ぐ咀嚼筋などの筋肉への力のかかり方が不安定になることで、何とかバランスを取ろうと色々な部分に余分な力がかかります。
それが口周り、特に歯や顎付近になることで、筋肉が緊張し、コリのような状態になるのです。このことが口を開けづらくする原因につながるのです。

TCH(歯列接触癖)とは?


TCHとは、「Tooth Contactiong Habit」の略で、簡単に言うと無意識に歯を接触させ続ける癖です。普段、口を閉じているときは、上下の歯は歯列間に1~3㎜の隙間があり接触していないのが普通なのです。 上下の歯が接触するのは、物をかむ時と飲み込む時だけ。
ですが、その時以外に上下の歯を接触させてしまう癖を歯列接触癖(Tooth Contact Habit)といいます。一般的に「噛み締め」「食いしばり」を想像されることが多いかと思います。

TCHの方は無意識のうちに歯が咬み合うので、力が入っていなくても上下の歯が接触してしまっていることは多いにあります。それだけでもお口まわりの筋肉に負担がかかって、顎関節症や肩こり、知覚過敏、さらには歯の破折につながり、歯を失う原因になる可能性もあります。
一番効果的な治し方としては『接触していることを認識し、接触したら意識的に離す』を繰り返すことだと言われています。
具体的には、TCHはテレビを見ている時や長時間パソコンをしている時などに起こりやすいので、テレビやパソコンの隅に何らかのシールや写真などを貼っておき、それを見たら上下の歯が接触していないかどうかを確認し、もし接触していたら離すということを繰り返すのが効果的とされています。

顎関節症という『生活習慣病』を治すために…


顎関節症は治りにくい病気です。
正確に言えば、何を持って治るかを断定することが難しい病気だと言えるでしょう。
顎の筋肉をリラックスすることで筋肉が緩み顎への負担がなくなることで、関節症の症状が気にならなくなる状況が、一般的に「治った」と見なされるのだと考えます。

では、顎の筋肉をリラックスさせるにはどのような方法があるのでしょうか?
電気刺激を与える理学療法、鎮痛剤の内服治療、マウスピースによる治療などありますが、一番オーソドックスなのはやはりセルフケアでしょう。
具体的にはガムや硬いものなど顎に負担のかかるものを食べない、長時間のPC作業は避け、リラックスを心がけるなど、方法はたくさんあります。
自分が顎に負担をかけていることを『認識』し、そうさせないためにはどうしたらいいか考え、実行する。これが一番の治療法です。

思えば、顎関節症は生活習慣病であると言えると思います。
足を同じ足を上にして組んだり、鞄をいつも同じ手でもって体が傾いていたり、生活していく中で生まれる体の不調そのものが反映するからです。

日進市の「歯科オーラルクリニック エクラ」では、専門的な知識と皆様に寄り添ったカウンセリングで、生活習慣病から生まれるお口のトラブルを解決するお手伝いをいたします。

顎関節症を始め、お口の状態で気になることが少しでもありましたら遠慮なくご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

医療法人 エクラ会 歯科オーラルクリニック エクラ
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Mia

歯科助手をしながら、歯科衛生士を目指しているMia(ミア)です。 人の役に立てるような仕事に就きたい、手に職を付けたいという思いから歯科衛生士を目指しています。患者さんからたくさん「ありがとう」と言ってもらえるように頑張っています。

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