舌のチェックしてますか?
皆さん、自分の舌のチェックをしていますか?
歯を磨くとき、歯の汚れや、歯茎のチェックを気にする人は多いと思いますが、舌のチェックをする人は意外と少ないのではないでしょうか。
歯磨きのついでに、舌を、ベ~っと出してチェックしてみましょう。
正常な舌は、全体がピンク色です。そして舌の上がうっすら白く見えることがあると思いますが、これを舌苔(ぜったい)と呼びます。
舌苔(ぜったい)というのは、舌に様々なものが付着し、苔(こけ)状に見えることです。でも、苔(こけ)ではありませんのでご安心ください(笑)。
舌苔(ぜったい)は、細菌、食べかす、口の粘膜の剥がれた上皮などが舌に付着した状態のことです。でも、薄く付着して、少し白い状態は正常な状態ですのでご安心ください。
しかし、舌苔は、付着しすぎると誤嚥性肺炎や口臭、味覚障害の原因となるため、定期的に舌を清掃して舌苔を除去することは大事になります。
そして、舌の色が紫色や黒色など、より濃くなると、病気のサインになる場合がありますので、日々の舌のチェックは非常に重要になります。
舌の病気には、他にも、舌の口内炎、舌がただれる、舌がしびれるなどあります。
舌や口全体の激痛を伴う舌痛症(ぜっつうしょう)または口腔灼熱症候群(こうくうしゃくねつしょうこうぐん)も広がっています。
高齢化に伴い、舌癌や舌だけでなく、口腔内全体に、口腔カンジタ症なども増えてます。
特に、お年寄りや、介護が必要な方の舌のチェックは、歯のチェックと一緒にぜひ習慣付けるようにしてください。
今回は、見た目にかなりインパクトがあり、心配になる黒毛舌(こくもうぜつ)についてお話ししたいと思います。
黒毛舌(こくもうぜつ)とは?
舌の表面全域に糸状乳頭(しじょうにゅうとう)と呼ばれる器官があります。
舌の表面のザラザラした部分ですね。舌をザラザラにして食物をなめとりやすくしたり、舌の感覚を鋭敏にする働きをしています。
糸状乳頭(しじょうにゅうとう)は、表層の上皮が角化して白く見えるため、舌に堆積する舌苔と混同されやすいことがあります。
特に、舌の糸状乳頭が角質化して延長し、舌に毛が生えたように見える状態を毛舌(もうぜつ)といいます。
角化層の表面や内部に多くの細菌塊(さいきんかい)と呼ばれる細菌の塊(かたまり)が見られる状態です。
菌の中には、着色する色素産生菌もみられるため、舌に褐色あるいは黒色の毛が生えたように見えることが多くあります。
その多くは黒色で、このようなものを黒毛舌(こくもうぜつ)といいます。
舌が黒くなる意外な理由
黒毛舌になる理由は様々ですが、主な理由としては次のようなことが分かっています。
1)口腔衛生状態の悪化
2)抗生物質やステロイドの長期服用
3)カンジダ菌の関与
4)免疫力の低下
などです。
他の原因として、喫煙、放射線治療、口腔乾燥、消化器疾患、腎障害、糖尿病の場合もあります。
通常、積極的な治療は必要ありませんが、食べ物が残っていたり、細菌の繁殖が起こりやすく口臭の原因にもなります。
通常の口のケアに加えて舌ブラシによる舌の清掃、うがい薬の使用により口内を清潔に保つことも大事です。
抗生物質などの飲み薬が原因と考えられる場合は、主治医に相談して薬剤を中止することも必要です。
抗生物質を飲むのをやめたり、体調が回復すれば多くの場合自然に治っていきます。
ただし、ごくまれに黒色腫などの腫瘍の場合もありますので、心配がある場合は歯科医院や口腔外科で相談してみましょう。
舌のセルフケアの仕方
歯のケアをするのと一緒に舌のセルフケアも忘れずにしましょう。
歯のセルフケアには歯ブラシや歯間ブラシ、糸ようじなどを使いますが、舌のセルフケアには、舌ブラシを使います。
舌ブラシは歯ブラシで代用できるの?
歯磨きのついでに、歯ブラシで舌を磨く人がいますが、おすすめできません。これは絶対にやめましょう。
歯ブラシは舌を磨くには硬すぎるので、舌を痛める可能性があります。むしろ舌の表面を傷つけて細菌を繁殖させてしまう恐れがあるのです。
舌の掃除には舌専用の舌ブラシを使うようにしてください。
舌ブラシの正しい使い方
いきなり舌ブラシで磨き始めてはダメです。舌が乾燥していると傷つきやすくなるため、まずは口に水を含んだり、うがいをして舌に潤いを持たせましょう。
舌ブラシは水で濡らして使いますが、歯磨き粉は使いません。
舌の奥のほうにも汚れは付着しているので、舌はできるだけ前に突き出し、舌ブラシを奥から手前に軽く動かして汚れを掻き出します。
舌の汚れは、奥から手前へ、1カ所につき1回だけ。やさしく撫でるだけでOKです。
オエっとなる人は、あまり奥までは入れないように、注意しましょう。
ちょっとだけ息を止めたり、舌以外は触れないようにすると磨きやすくなります。
舌ブラシはいつ使うの?
舌を磨くのは基本的に1日1回で十分です。
タイミング的には、朝の歯磨きと一緒に磨くことをおすすめします。
どうしてかというと、眠っている間は唾液が減って口のなかの細菌が増えているので朝磨くのが効率がいいのです。
しかし、舌苔がそれほど付着していなければ歯と違って、毎日磨く必要はありません。
舌ブラシで1回で舌苔(ぜったい)を全部取ることはお勧めしません。
また、1回で舌苔を取り切れなかったからといっても、1日何度も舌を磨くのも良くありません。
舌を傷付ける可能性がありますので、毎日少しずつ舌磨きをするようにしましょう。
舌表面は元々ざらついていますので、つるつるになってしまうと、唾液も流れてしまうのでかえって乾燥し易くなります。
また炎症を起こしやすくなったり、出血したり、味覚障害を起こしたりするケースもあります。
舌ブラシで磨きすぎることで、かえって汚れが付きやすくなって、口臭が悪化する場合もあります。
舌がひりひりするようであれば、やりすぎです。
痛みが取れるまでしばらくは、舌ブラシの使用は中止してください。
舌は、繊細な期間ですのでやり過ぎは禁物です。
日頃から舌苔を軽減しよう
舌ブラシを使う以外にも、舌苔を軽減する方法を紹介します。
まず、食べ物をよく噛み、舌を使うよう意識します。また、水分をしっかりとることも重要です。
舌をよく動かして、上顎にこすりつけて、汚れを落とす動きをするのもいいですね。
舌のケアで歯科医に行く理由
舌のケアの第一歩は、舌苔を落とすことになります。患者さんが、正しい舌のケアをできるように歯科医が指導していきます。
まずは、舌ブラシを使って舌苔を落とすことから始めます。この時に、舌を磨くことに意識が行くと、つい強くこすってしまい、その結果、舌を傷つけてしまいます。
むしろ、細菌を増やすことになりかねないので、力を入れずに優しくこすりましょう。
その指導を行います。
最後に、うがい薬を使ってうがいをして終了です。
その後は、しばらく経過を見ながら舌ケアがうまくいっているか、舌苔の付き具合を見ていくことになります。
舌のケアに目覚めたら、舌苔が気になったら、まずは歯医者へ行きましょう。
自己流で舌ブラシで舌苔を取ると、舌を傷つけてかえって悪化させる可能性があります。
舌苔がつきやすい原因には、汚れのほかに、口の中が乾燥していると舌苔がつきやすくなります。
つまり、口呼吸になると口の中が乾燥したり、舌の動きが悪くなって、舌苔がつきやすくなります。
口呼吸が原因であれば、他の病気の原因にもなる可能性があります。
舌苔が気になるという理由で来院されると、それまで気が付かない違う病気が見つかることがあるかもしれません。
たかが舌苔と思うかもしれませんが、もし気になることが少しでもありましたら早めにご相談ください。
正しい舌のケアをするためにも、先ずは歯医者に相談にいき指導を受けることをおすすめします。
日進市の「歯科オーラルクリニック エクラ」では、歯の治療はもとより、舌のケアも専門スタッフが指導いたします。
また、訪問治療も行っていますので、気になることが少しでもありましたら早めにご相談ください。
新型コロナウイルスの予防に舌ケアが大切なことは、別記事もご覧ください。
まとめ
健康な舌はピンク色をしています。
舌苔(ぜったい)と呼ばれる、少し白くなっても正常な状態ですが、ほっておくと口臭の原因にもなります。
そのため、舌ブラシなどで定期的にケアすることが大事になります。
また、舌のざらざらの部分が角質化し、舌に毛が生えたように見える状態を毛舌(もうぜつ)といい、黒色の毛が生えたように見えるものを黒毛舌(こくもうぜつ)といいます。
黒毛舌(こくもうぜつ)は抗生物質を飲むのをやめたり、体調が回復すれば多くの場合自然に治っていきます。
ただし、ごくまれに黒色腫などの腫瘍の場合もありますので、心配がある場合は歯科医院や口腔外科で相談してみましょう。
舌のケアが気になったら、まずは歯医者へ行きましょう。
舌のケア目的で来院されると、それまで気が付かない違う病気が見つかることがあるかもしれません。
日進市の「歯科オーラルクリニック エクラ」では、歯の治療はもとより、舌のケアも専門スタッフが指導いたします。
また、訪問治療も行っていますので、気になることが少しでもありましたら早めにご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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